子どもの成長は本当に早く、いつまでも可愛い赤ちゃんのままではありません。
成長は嬉しいものの,親としては何やら寂しい気持ちになります。
そんな時、「ひとりっ子はかわいそうだし…」と2人目,3人目を望みはじめることでしょう。
しかし,子どもは授かりものなので思い通りに授かるわけではありません。「なかなか来てくれない……」と焦る中で考えはじめる選択肢、それが“不妊治療”です。
そこで今日は心理学者の筆者が心理学的アプローチから、不妊にまつわるストレスと対処法をご紹介していきます。
第1子と第2子不妊の「心理的ストレス」の違いは?
実は日本は不妊治療大国(※1)。ただし,「大国」という意味は技術的に進んでいるという意味ではなく、マーケットとして大きいという意味です。
“治療”という言葉が大きな期待を持たせるわけですが,そこに臨むには相応のストレスを覚悟しなければなりません。
残念な話ですが,不妊治療の成功率は決して高くありません。その一方で親の期待は果てしなく大きいものです。
よって不妊治療に臨む親たちは期待を裏切られ続けます。経済的負担も,心身の負担も大きい中で裏切られ続けることは辛いものです。
●第1子不妊の心理的ストレス
不妊治療3年生、4年生ともなると「もう子どもが授からないのではないか……」と絶望的な気持ちにもなります。
その中で,よその子を見るたびにやるせない気持ちになることが多いようです。これが第1子不妊の心理的ストレスです。
●第2子不妊の心理的ストレス
第2子以降の不妊治療ではすでに子どもを授かっているので第1子不妊のような絶望感はありません。しかし、第1子不妊に悩む親たちの眼差しが、第2子不妊で通院する親たちを悩ませることがあります。
第2子不妊で悩むママは子連れで通院することも多く、待合室では時に羨望が混ざった眼差しでわが子を、そして自分を見つめられることがあります。
そのような目は本能的に怖いものです。
もちろん、わざとそのような眼差しを向けているわけではありませんが“裏切られ続けた切なさ”が募って無意識的に目が親子へと向いてしまうのです。
仕方のないことですが、第2子の不妊治療に通う時はそれなりの心の準備が必要です。
不妊時に陥りがちな「夫婦関係トラブル」とその原因
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不妊治療は特に妻側に負担がかかります。精神的にも身体的にも,辛い思いを積み重ねるのです。
「子どもを授かる」という希望があるから耐えられるわけですが、裏切られた思いを重ねる中では苦痛が増してきます。「もうやめたい……でも諦めるのも辛い。」という葛藤に苛まれます。
一方で、夫の負担は妻ほどではありません。
費用もかさむなかで「ここまで投資して諦められない!」という心理に陥ることがあり、女性の「もうやめたい」という思いに寄り添えなくなっていきます。
女性の多くは本当にやめたいわけではありません。ですが、思いに寄り添ってもらうことで痛みが軽くなるのが女性の特性です。
夫のこのような態度に幻滅して夫婦仲が冷え込むことがあります。不妊治療に臨む時は特に夫に妻を精神的に支える覚悟が必要です。
不妊による心理的ストレスを軽減するコツ
心理的ストレスは一人で思いつめると果てしなく強くなるものです。その一方で希望を見出すことができれば軽減するでしょう(※2)。
子どもを授かること、子どもを残すことは私たちの生きる意味の一つです。
ですが、実は人にはもう1つの生きる意味があると筆者は感じています。それは自分という存在がいたことを世の中に残すことです。
第2子以降の不妊なら今いる子のこと、そして夫婦でこの世に何を残せるのかを考えてみましょう。第1子不妊でも夫婦で、そして友人たちと何ができるか探しましょう。
見過ごしているだけで、実は人にはできることがたくさんあるのです。
もちろん、むやみに諦める必要はありませんが「できない……できない……」と思いつめるとストレスが倍増するだけです。
「今の自分にできること」に目を向けながら、“希望”を失わないことが大切です。
【参考】
※1 草薙 厚子・黒田 優佳子 (2017)「本当は怖い不妊治療 (SB新書)」 – SB新書.
※2 杉山崇(2016)「どうせうまくいかない」が「なんだかうまくいきそう」に変わる本 – 永岡書店
引用元:
待合室での視線がツライ…「2人目不妊」の心理的ストレスとは?(exciteニュース)