妊娠中の方は、妊娠時期ごとの赤ちゃんの様子が気になりますよね。

お腹の中の赤ちゃんのことを「胎児」と呼びますが、胎児になる前に「胎芽」と呼ばれる時期があることをご存じですか?

あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、実はこの時期は赤ちゃんと妊婦さんにとって大切な時期なんです。

今回は元助産師であり1児の母である筆者が、胎芽と胎児の違いや、この時期に気をつけることなどこれまでの経験をもとにご説明していきます。

胎芽ってなに?「胎芽」と「胎児」の違いは?

胎芽とは、妊娠8週未満の赤ちゃんのことを言います。(※1)

胎芽期の赤ちゃんはまだ人の形をしておらず、器官の形成が不十分であり、人間としての構造も未熟なので「胎芽」と呼ばれています。

受精卵が子宮に着床した時点から胎芽と呼ばれるようになり、人の形になるべく骨の形成が始まり出すと胎芽期は終了し「胎児」と呼ばれるようになります。

胎芽期・胎児期の週数による期間区分には諸説あり、妊娠10週未満を胎児期、10週以上を胎児期とする場合もあります。(※1)



「胎芽期」と「胎児期」の赤ちゃんの成長

出典:https://itmama.jp/

胎芽期に器官の形成が始まり、胎児期に入るとますます器官形成が進み、胎児としての特徴が備わるようになります。

超音波検査では、胎芽期には胎嚢、胎芽、胎芽心拍動(心拍)が確認できるようになります。

胎児期に入ると頭殿長(赤ちゃんの頭からお尻までの長さ)を計測して予定日が決定したり、手足が動いているのを見ることができるようになったりします。(※1)



妊娠初期に起きる赤ちゃんへの影響

一般に妊娠5週〜11週を器官形成期と呼び、この時期に脳や心臓、顔のパーツ、腕、足などの基本的な構造が作られていき、外観も人らしくなっていきます。(※1)

この時期は細胞増殖が盛んな成長期で、催奇形因子(さいきけいいんし)にさらされると先天異常を引き起こすリスクが高い時期です。(※1)

催奇形因子とは、アルコール、タバコ、放射線、薬剤、ウイルスなどが挙げられます。

また、葉酸が不足していると胎芽期に二分脊椎の奇形が発生してしまう可能性があります。(※1)



妊娠初期に気をつけること

まだ妊娠が発覚するかしないかのこの妊娠初期に、実はお腹の中の赤ちゃんに外的要因が大きな影響を与える可能性があるのです。

そのため、妊娠を希望している人や妊娠の可能性がある人は以下のことを心がけましょう。

・アルコールやタバコの摂取を控えること

・医療機関を受診した場合に妊娠の可能性をきちんと伝えること

・感染予防をすること

葉酸に関しても、妊娠が判明する前から摂取していないと効果がないため、普段から摂取を心がけることが重要ですよ。



「胎芽」という呼び方は聞きなれないかもしれませんが、お腹の赤ちゃんの成長過程でとても重要な時期なのです。

妊娠が判明するかしないかの頃、お腹の中で赤ちゃんはめざましい成長をとげています。

赤ちゃんに重要な影響を与える可能性があるこの時期、将来のわが子のためにも生活スタイルに気をつけていきましょうね。


引用元:
【元助産師に聞く!】「胎芽と胎児」の違い&妊娠初期のNG行動(It Mama)