親が育てられない子どもを匿名で預け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運用する慈恵病院(熊本市)の蓮田太二理事長は25日、実名での預け入れを求めた市専門部会の検証報告書について「(望まない妊娠を)本当に知られたくないという人たちの切実な思いを分かっていない」と批判した。病院で記者会見した。


 23日公表の報告書は、子どもの「出自を知る権利」を重視。「親の援助や子の養育環境を整えるために、実名化を前提とした上で秘密を守る手法が必要だ」と指摘した。

 これに対し、蓮田理事長は、子どもを預けざるを得ないような予期しない妊娠に悩む女性には匿名性が必要だと反論。「最後のとりでだと思って預けに来る人がいる」と述べ、匿名による運用を変えない考えを示した。

 報告書は、専門家の立ち会いがない母親1人での「孤立出産」が増加傾向で、ゆりかごの存在が孤立出産を招いている可能性があると分析したが、蓮田理事長は「ナンセンスだ」と否定した。


引用元:
「実名化」報告書、慈恵病院理事長が批判 /熊本(毎日新聞)