自分たち夫婦が以前、「妊活」を宣言したおかげで、僕もいろんな人に相談されることが多い。実は女性からも多く。

 先日は、知人の女性が妊娠したものの、残念な結果になってしまったという相談を受けました。うちは2度、流産しました。その経験があって、妻はしばらく仕事に集中したあとに、妊活休業を取りました。妊活休業に入る前に、妻からお願いされて「精液検査」に行ったわけです。人生初の精液検査を経験し、結果、精子の運動量がよくなかったり、形も「やや奇形」と診断されて、かなり驚きました。精子の質があまりよくないという結果が出たわけです。男性誰しも、自分の精子の質が悪いと思ってなんかいないと思う。

 その検査を経験したおかげで、過去、妊娠したけど残念な結果になってしまったのも、おそらく自分の問題も大きいのだと気づけた。

 相談してきた知人の女性に「旦那さんは精子の検査に行ったことある?」と聞いたら、「ないです」と言いました。正直、なかなか言いにくいんでしょうね。だけど、子供がなかなかできなかったり、妊娠しても残念な結果になってしまったとき、どうしてもそれを女性が一人で抱えがち。実は男性の精子の問題であることも多いはずなのに、女性が抱えてしまう。

 ネットで「精子 35歳」と検索するとかなり出てくるのですが、ここ最近は、精子も35歳を境に力が落ちる男性がいると言われています。だけど、男性は年を取っても関係ないと思ってる人が多い。


男性も35歳を過ぎると、精子の質が劣化する人もいて、しかも、僕らのように団ジュニ世代、40代後半になると精子力の低下が加速するという人もいるのです。

 俺はいつまでも元気だぜ〜!なんて思っていても、自分の元気と精子の質は違います。

 だから僕は男性が精液の検査に行くことを強くお勧めしています。まず30歳になったら一度、ぜひ行ってほしい。病院やクリニックに行き、精液を出すのだから正直、恥ずかしいです。だけど、それ以上に得るものがある。ある意味自分の分身でもあるわけですよね。

 それが元気かどうかわかるんですから。もし何か問題があったら早めの処置もできるはず。

 そして、40歳過ぎて、すでに子供がいるけど、2人目を考えている方。一度、子供を授かったから大丈夫!と油断はしないでください。年齢と生活環境によって変わってくる人も多いのですから。だから2人目のお子さんを作ろうかなと思ってる人にもぜひお勧めします。男性は自分の精子の質を知ることが、結果、女性へのやさしさにつながってくると本気で思っています。

 ただ、精液検査に行くと、イコール男性不妊というイメージが重いというのはわかります。なので、精液検査に代わるもっといいネーミングを考えて広げていくべきだと思う。

 例えば「メンズドック」。少子化対策をいろいろ考えるなら、結構これも本気で考えてほしいものです。


引用元:
鈴木おさむ 人生初の精液検査で驚きの結果に(AERA dot)