島根大学医学部は、新生児の代謝異常など先天性の25疾患を調べる「新生児マススクリーニング」と呼ばれる検査で、これまで特定が難しかった病気の一つ「オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症」を世界で初めて測定できるようになったと発表した。

 同学部付属病院で生まれた新生児を対象に8月21日から、検査を開始している。

 同学部によると、OTC欠損症は、肝臓でアミノ酸を分解する酵素の一つであるOTCが、先天的にないために、体内で有害なアンモニアを無毒化する仕組みが機能しなくなる病気。8万人に1人の割合で発症するという。

 嘔吐おうとやけいれん、意識障害、発達障害などの症状が見られ、突然死も起こりうる。早期に発見できれば、肝臓移植などの治療により、健康に暮らせるようになるという。

 今回、発見が可能になったのは新生児マススクリーニングのうち、「タンデムマス検査」と呼ばれるもの。生後4〜6日の新生児から採血した少量の血液を、ろ紙にしみこませて調べる。これまでに可能だった22疾患の特定に加え、新たにわかるようになった。

 検査費用は県が負担しており、OTC欠損症の特定に追加費用はかからない。同学部は、県内の医療機関からの依頼があれば、検体を預かってOTC欠損症の検査を行う考えだ。

 研究者代表で同学部小児科の小林弘典助教(42)は「OTC欠損症の患者に出会う中で、なんとしても測定できるようにしたいという思いがあった。早期発見で、多くの子どもを助けたい」と話している。


引用元:
島根大 新生児難病 早期発見へ(YOMIURI ONLINE)