流産や死産を経験した夫婦が「周囲から言われて傷ついた言葉」は、グリーフ(悲嘆)ケアの現場でも注意点として指摘されています。当事者にどんな影響を与えるのでしょうか。生殖心理カウンセラーの石井慶子さん(60)に聞きました。
流産や死産での励まし、かえって悲しみ深めることも
子どもを亡くした親たちのグリーフケア
流産や死産を経験した人と接するにあたり、あらかじめ知っておいてほしいことがあります。流産や死産は、生まれて成長して亡くなった人との死別となんら変わりないかもしれない。そして、どんなに慰められても和らぐことがない悲しみの中にいる時間がありうる、ということです。
時期がたち、普通に生活しているような姿や笑う姿を見ても「もう大丈夫だ」と思わないでください。たまたま笑えただけかもしれません。
泣いたり亡くなった子どものことを話したり、悲しみを表したりすることは、ストレスのケアとして必要なことです。「早く忘れなさい」と制限することが、当事者にはとてもつらいことだと知ってください。
「よくあること」「次があるから」という言葉は、医療従事者でも慰めによく使います。そう言われて、すぐ納得できる人は少ない。なぜ自分たちにこんなことが起きたのかと、しばらく原因を探し続けることがあるのです。
多くの当事者は「次こそ」という思いを持ちますが、「うまくいかないのでは」という不安も抱えます。「次がある」という言葉は、確証のない無責任な励ましと捉えられることもあります。経験者が今後のことをどう考えているのか、確認してから使うべき言葉だと思います
引用元:
流産や死産の悲しみ 耳を傾け、静かに見守って(朝日新聞)