2016年度の長崎県内の男性の育児休業(育休)取得率が8・8%と、15年度の0・9%と比較して7・9ポイント上昇したことが県の調査で分かった。
厚生労働省が公表した16年度の全国調査の結果(3・16%)も大きく上回っており、県の担当者は「県内の企業でも、男性の育休取得の機運が高まっていることが一つの要因。県としても後押ししたい」と話している。
県は毎年、産業別・規模別に無作為に抽出した県内の事業所1300社を対象に、労働条件などの実態調査を実施。男性の場合は、配偶者が出産した従業員のうち、育休を取得した割合を調べている。
15年度の調査では、配偶者が出産した男性217人のうち、育休取得者はわずか2人だった。だが、16年度は205人のうち18人が取った。傾向としては、取得率は規模の大きい事業所ほど高く、期間は半数以上が1週間未満だった。
県内で唯一、仕事と子育ての両立支援に高い水準で取り組む企業として、厚労省の「プラチナくるみん」の認定を受けている半導体機器製造会社「メルコアドバンストデバイス」(諫早市)。同社では性別を問わず育休を取得できるように、女性だけでなく、配偶者の出産が近い男性従業員にも面談を行い、制度の利用を促している。16年度には配偶者が出産した6人中5人が育休を取ったという。
実際に取得した同社業務部の男性(47)は県外に単身赴任中、次男が誕生。妻が実家から自宅に戻るタイミングで4日間休んだ。期間中は子どもをお風呂に入れたり、おむつ替えをしたりしたといい、「子育ての大変さや赤ちゃんの体調管理の難しさが分かった。家族とのコミュニケーションも取れて良かった」と振り返る。
同部の後藤康博・グループマネジャーは「育休など様々な制度を取得しやすい雰囲気をつくることで、安心して働けるようにしている」と話す。
県も昨年11月、女性の活躍を後押ししようと、育休を取りやすくするなど、年齢・性別に関係なく誰もが働きやすい環境づくりに取り組む企業を「ながさきキラキラ企業(Nぴか)」として認証する制度を始めた。これまでに21企業が認証を受けており、3年間、県のホームページで紹介されるほか、就職面談会などで優良企業として学生らにPRできる。
県雇用労働政策課は「就職活動の際に、福利厚生の充実ぶりを重視している学生は多い。Nぴかの認証の促進などを通じて企業の魅力を高めるサポートを行うことで、県内での就職や就業の定着を促し、県外に優秀な人材が流出しないようにしたい」としている。(佐藤陽)
◆育児休業(育休)=育児・介護休業法に基づく制度。原則として、子どもが1歳になるまで夫婦それぞれが取得できる。ただし、1歳時点で保育所に入所できないなどの事情がある場合は、最長6か月の再取得が可能。育休中は、雇用保険を財源とする育児休業給付金が支給される。今年10月1日には、改正育児・介護休業法が施行され、最長2年まで育休の再取得が可能になる。
引用元:
男性の育休取得、長崎で急上昇…企業から促しも (読売新聞)