筆者は幼稚園の保護者会に呼ばれて講演をすることが多いのですが、参加している保護者からはこんな質問をよく受けます。
「子どもは褒めて育てた方がよいのですか? 叱って育てた方がよいのですか?」
そこで、次のように答えます。
「子育ては理屈で考えるのではなく、子どもが良い行動をすれば褒めて、悪い行動をすれば叱ればいいのです。」
今は子育て情報が氾濫しているため、考え過ぎてしまうママが多いように思います。
そこで、『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者が、30年に及ぶ教育評論家としての経験を基に、“子育てはシンプルに”についてお話します。
立石美津子
子育てに正解はない!? 「臨機応変」に対応して
筆者もよく言っているのですが、例えば以下のような事を子育て本などで見かけたことはありませんか?
・“誰かと比べて褒める”のはNG
「○○ちゃんよりできて偉いね」「優勝してお利口だね」は良くありません。
・「○○して良い子ね〜」と条件付けの褒め方は良くない
条件付けをしないで、どんなことをしても“子どものあるがままを受け入れる”、そんな子育てをしましょう。
ところがマジメ過ぎるママのなかには、「育児本にある字面通りじゃないとダメだ」と思ってしまい、「褒めるときは○○の褒め方でなければならない」と考えてしまう人もいるようです。
そして「お片付けして良い子ね」「ご飯を残さず食べて良い子ね」と条件付けの褒め方をしてしまい、「ああ、私は悪い褒め方した」と落ち込んでしまうママもいます。
でも、状況によっては上記のような褒め方が、決して悪いというわけではありません。
なぜかというと、子育ては“人間を育てる”ことなので、その場に応じて臨機応変に工夫することが大切なのです。
子どもはどう感じてる?「叱る」と「怒る」、そして「注意する」
“叱る”ことと“怒る”ことの違いもよく聞かれます。
簡単に言えば、怒るとは“自分の感情のはけ口として八つ当たりをする”こと。
叱るとは“子どもを教え諭すこと”なのですが……。
実は、子どもは“叱る”も“怒る”も、そして“注意される”も、全て同じことと感じるのです。
出典:(C)あべゆみこ
筆者の経験上、この違いをあれこれ頭で分析して実行に移しても、残念ながら子どもにとっては変わらないのです。
親は“わが子のことを思うがゆえに、感情的になってしまう”のですが、そこには深い愛があります。
例え感情的に怒ってしまったとしても、愛情があるので問題なし!
もし感情もなく、普通の顔をして以下のイラストのように叱ると、子どもにとっては“馬の耳に念仏”で、ママの言葉は左耳から右耳へ通過してしまうでしょう。
出典:https://itmama.jp
筆者は、親の直感で動物的に褒め、そして叱れば良いと考えています。子育てをしっかりしようと思うマジメなママほど、こねくり回して深く悩んでいる気がします。
少し緩く考えてみませんか?
引用元:
マジメな人ほど要注意!? 「叱る・怒る・注意する」ママが心がけることとは?()