乳がんがわきのリンパ節に転移しているかどうかをMRIで診断し、転移していないと分かった患者に対するわきの手術を回避する新たな治療法を、大阪急性期・総合医療センター(大阪市)のチームが開発した。この治療法により、手術に伴う患者の体への負担軽減が期待できる上、外科医が乳房の治療に専念できるといったメリットもあるという。【松村秀士】

 同センターによると、乳がんが最初に転移するわきの第一リンパ節(センチネルリンパ節)をCTで特定した上で、MRIを使って転移診断ができるかどうかを検証したところ、正確な判断ができることが判明した。そのため、この方法を用いて転移診断をし、センチネルリンパ節への転移がないと診断された患者へのわきの手術(センチネルリンパ節生検)をしない治療法を開発。既に臨床試験を開始している。

 同センター乳腺外科の元村和由主任部長は、新たな治療法について、「MRIを用いた転移診断の正診率は100%に近い。将来的に保険適用を目指す」と話している。

 乳がん治療をめぐっては、摘出したセンチネルリンパ節にがんが転移していないと分かれば、第二・第三のリンパ節にも転移していないと判断できることから、リンパ節の全摘手術をしなくて済む。ただ、センチネルリンパ節を摘出する手術は、傷の痛みやしびれ、腕のむくみといった後遺症を伴う場合があり、患者の体への負担が課題となっていた。また、これまで乳がん患者全体の約7割が、センチネルリンパ節へのがんの転移がないにもかかわらず、センチネルリンパ節生検を受けているという。

引用元:
乳がんリンパ節転移の有無を画像診断、手術回避へ - 大阪急性期・総合医療センター(医療介護CBニュース)