手や足などに水疱性の発疹が現れる手足口病が、全国的に大流行の兆しを見せている。国立感染症研究所がまとめた6月26日から7月2日までの週の患者報告によると、12週連続で増加しており、16府県で警報レベルとなっている。この週の患者報告数と過去10年の同時期を比べると、大流行した2011年、15年に次いで多い状況だ

6月26日から7月2日までの週の全国の患者報告数(小児科定点医療機関約3000カ所)は、前週比46%増の定点当たり3.53人となった。警報基準値(5.0人)を上回っているのは、高知(15.13人)、鳥取(14.42人)、滋賀(9.13人)、香川(8.75人)、宮崎(8.39人)、兵庫(7.23人)、佐賀(7.09人)、和歌山(6.57人)、大阪(6.55人)、熊本(6.44人)、三重(6.24人)、大分(6.17人)、山口(6.02人)、長崎(5.73人)、福岡(5.08人)、愛媛(5.03人)の16府県で、前週の3倍近くになった。

 手足口病の流行の拡大に伴い、流行警報を発令したり、警報基準値を超えたことを周知したりする動きが広がっている。山口県は5日、定点当たりの患者報告数が警報基準値を上回ったとして流行警報を発令した。同県は「流行期である夏にかけて、さらなる感染の拡大が予想される」としている。

 6日に流行警報を出した長崎県も「大きな流行の発生」が疑われるとし、高熱、頭痛、嘔吐の症状がある場合は、早めに医療機関を受診するよう促している。

 この週の患者報告数が警報基準値を上回った大阪府は「保育施設や幼稚園などでは、感染が広がる可能性が高く、特に注意が必要」と指摘。警報基準値を超えた和歌山県も、▽手洗いをしっかりする▽排泄物を適切に処理する▽タオルを共用しない−といった感染防止に努めるよう呼び掛けている。

 手足口病は、水疱性の発疹を主な症状とした急性ウイルス性感染症で、乳幼児を中心に夏季に流行することが多い。主な病原ウイルスはコクサッキーA6、同A16、エンテロウイルス71で、感染から3―5日の潜伏期間後、口腔粘膜や手のひら、足底などの四肢の末端に2―3ミリの水疱性発疹が現れる。飛沫や接触によって感染する。

引用元:
手足口病、全国的に大流行の兆し 12週連続増、16府県で警報レベル (CBnews)