中村法道知事は26日、長崎大学病院(長崎市)に重症の妊産婦や新生児への高度な治療に当たる「総合周産期母子医療センター」の設置を認める方針を示した。晩産化などに伴うハイリスク出産に備え、妊婦が安心して出産できる環境を整える。

 定例県議会一般質問で、前田哲也議員(自民)の質問に答えた。

 県医療政策課によると、設置には県の指定が必要。同センターはハイリスク出産に備える「総合型」で、県内には長崎医療センター(大村市)しかない。県内の周産期医療を巡っては、妊婦と胎児を24時間体制で管理できる母体・胎児集中治療管理室(MFICU)と新生児集中治療室(NICU)のベッド数は全国平均を下回る。そのため対象妊婦の生活圏でハイリスク出産が難しく、県外に搬送するケースもあるという。

 長崎大学病院の「総合型」は、NICUを増設しMFICUを新設する計画。低体重児や切迫早産など、これまで以上にリスクが高い母子の受け入れが可能になる。併せて、教育病院としてのノウハウを生かし、不足している周産期の専門医育成にもつなげる。同病院は2019年度中のセンター稼働を目指している。

 中村知事は答弁で、センター設置により、母体搬送を抑制する効果などを挙げ「安心して子どもを産み、育てていただくための環境をつくることは大変重要」と述べた。同病院の増崎英明病院長は「今後は各自治体、病院などと連携して専門医育成に力を注ぎ、地域の周産期医療体制が崩壊しないよう貢献したい」とコメントした。





引用元:
ハイリスク出産に「統合型」(長崎新聞)