子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンの積極的勧奨が中止されて4年がたち、接種者が大幅に減ったことにより、国内の女性の20歳時点でのHPV感染リスクがワクチン導入前と同程度に高まるとする予測を大阪大の上田豊助教(産婦人科)がまとめたことが10日、分かった。同ワクチンをめぐっては、体のしびれや痛みといった接種後の副反応が報告されたとして、積極的な接種勧奨が中止されている。

 HPVは主に性交によって感染し、女性の多くが一度は感染するとされる。多くは自然に治り、ウイルスは排除されるが、まれに感染が長く続き、がんの前段階を経て子宮頸がんになることがある。

 上田助教は、ワクチンの公費助成開始時に助成の対象年齢を超えていた平成5年度生まれの女性の20歳時点での2種類のウイルス型の感染リスク(感染者の割合)を1と設定。公費助成が始まった際に助成対象の16歳だった6年度生まれ以降の感染リスクをワクチン接種率から計算した。すると、約7割の人がワクチンを接種したことで、20歳時点での感染リスクは約3分の1にまで減った。

ところが、25年度以降のワクチンの接種率は4〜0%に激減。今年度に定期接種の対象年齢(12〜16歳)を超えて17歳になる12年度生まれの女性の20歳時点での感染リスクは、0・96とワクチン導入前と同水準になると予測した。

     

【子宮頸がんワクチン】 子宮頸がんの主な原因であるHPVの感染を予防するワクチン。筋肉注射で3回接種する。ウイルスには多くの型があるが、悪性度の高い2種類の型を防ぐ。「接種を促すはがきを送る」といった積極的勧奨は平成25年6月から差し控えられている。世界保健機関(WHO)や日本産科婦人科学会は子宮頸がん患者が増える恐れがあるとして勧奨再開を求めている


引用元:
子宮頸がん、ウイルス感染リスク、導入前水準に ワクチン接種勧奨中止から4年(産経ニュース‎)