子どもを望んでいるのに、なかなか妊娠しないと、不安を感じる方もいるでしょう。本気で妊娠したいと考えているなら、自分でできる対策から、病院での治療までチェックしてみてください。不妊の原因や対策方法を紹介します。


この記事の監修ドクター
松本レディースクリニック 松本 和紀先生

当院では体外受精など生殖補助医療を専門に行います。赤ちゃんが欲しい、妊娠したいがなかなか妊娠しないとお悩みの方ご来院ください。
http://www.matsumoto-ladies.com/
あなたが妊娠しない理由
子どもが欲しいと望んで活動をしていても、妊娠しないのであれば何らかの原因があるはずです。
妊娠とは
妊娠とは、女性側で排卵があり、男性側で受精に必要な精子があり、それぞれが結び付くことで成り立っています。1回の排卵で妊娠の確率は、20〜25%程度だといわれています。この割合から考えると、子どもを望むカップルの間で、1年以内に90%の割合で妊娠することが可能です。

もともと人の受精率は低く、避妊を止めて1〜2ヶ月では、妊娠する確率は低いと言えます。自然妊娠率は低いため、短期間で妊娠できるとはいえない傾向です。子作りは1年を目安に考え、じっくりと取り組んでいくことが必要です。
妊娠しやすいタイミングで性交
1年以内に妊娠できなかった場合、排卵している割合が減っている可能性があります。女性の卵巣機能は35歳から徐々に低下していき、40代に入ると月経周期に乱れが生じ、45歳では無排卵になっている可能性が高いです。受精に必要な卵子のもととなる卵胞が残り少なければ、当然妊娠することはできません。

しかし、年齢を重ねていても卵巣機能が完全に衰えていないなら、妊娠する可能性はゼロではありません。更年期の女性で妊娠の確率が減っているなら、タイミングを見計らって性交する必要があります。

妊娠しにくいと思ったら、まず最初に行うのが基礎体温を測ることです。体温の変動をチェックすると、排卵しているかがわかります。低温相と高温相の温度差が0.3度以上あれば、排卵はしているため、そのタイミングをみつけてみてください。
体の健康状態の確認
妊娠できないのは、母体が妊娠のための準備ができていない可能性があります。赤ちゃんがお腹の中で10ヶ月育つことができる環境が整っていないのかもしれません。妊娠しにくい人には、肩こり、腰痛、冷え、生理痛、頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状を抱える人が少なくありません。また、糖尿病や自己免疫疾患がある方も、妊娠しにくい傾向があるようです。

冷え、肩こり、腰痛などの症状は、体の血の巡りが悪い証拠です。血行が悪いと生殖器官への血流も悪くなり、ホルモンバランスも乱れやすいため注意しましょう。
生活習慣の見直し
不妊治療を受ける前にやっておきたいのが、生活習慣の見直しです。仕事でストレスがたまりやすい、外食しがちで栄養のバランスが悪い、運動不足で血流が悪い、これらの原因も不妊と関係してくる可能性があります。

些細な不調は長い間あると当たり前となってしまい、本人も気がつかない問題を抱えている可能性もあるのです。妊娠を考えているなら、もう一度自分の体を見つめなおし、不妊の原因となっているものがないか考えてみましょう。
男性側に不妊の可能性も
不妊症になる理由は何も女性だけの原因だけではありません。精子の数が少ない、精子の障害を抱えているなどのケースもあります。精液検査が正常でも、卵子に付着しないタイプもあります。実は不妊の原因は男女ともに同じくらいで男性60%、女性60%あります。20%は両方に原因があります。
早めの受診がおすすめ
妊娠したいと思ったら、ブライダルチェックを兼ねて早めに病院を受診しましょう。
体の問題ではないかをまずは確認
1年以上妊娠しないカップルを不妊症と定義しています。この期間で妊娠しなければ、女性が30代であれば半年はタイミング法で試みてみましょう。タイミング法も病院で指導してくれるため、早めに病院を受診してみましょう。

もしタイミング法を半年やっても妊娠が難しい場合は、次のステップに進む必要があります。女性は排卵しにくい、卵管の問題、子宮の問題などが影響しやすいです。
男性側の検査も必要
男性は受精に必要な精子の問題を抱えている可能性があります。2人でリスクとなりうる検査をしておけば、どんな治療法が適しているかもわかります。片方のみだと、60%のリスクしか把握できないことになり、妊娠の確率は上げられません。
妊娠しやすい身体づくりとは
年齢によっても徐々に妊娠率は低下してきますが、生活習慣に影響される部分もあります。
正しい知識をつける
自分が何歳まで妊娠可能なのか、年齢を重ねている方のリスクはどんな部分なのか、夫婦で考えられる不妊の問題など、本人たちも知識を取り入れることが大切です。卵子のもととなる卵胞は、何もしなくても毎月100個〜数千個の数が減少していくため、早めに知識を取り入れて行動を起こすことが大切です。
生活習慣を見直し、妊娠しやすい身体をつくる
卵胞は嫌でも時間の経過とともに減少し、さらに日々のストレスでも多くを失っていきます。現代女性が妊娠しにくくなっているのは、社会進出によりストレスを抱えやすいことも原因だと考えられます。

妊娠を考えている方は、ストレスを軽減させる対策や、食生活を改善させて、体内で発生する活性酸素の問題から身体をまもりましょう。仕事のストレスが大きいと感じたら、仕事量を減らしてみるのもよい対策です。
まとめ
妊娠したいと思ったら、夫婦2人でよく話し合い、お互いの身体のことを考えてましょう。年齢により排卵しにくいのか、受精にいたらない問題があるのか、タイミングが合わないだけなのか、病院で検査を受けて明らかにしておきましょう。


引用元:
【医師監修】なぜ妊娠しないの? 妊娠しやすい身体づくりとは(ニコニコニュース)