日本周産期・新生児医学会は、胎児への輸血に関する手技や麻酔の方法などを盛り込んだマニュアル案をホームページに掲載した。胎児輸血は、胎盤から胎児へ血液を送る静脈に輸血を行う方法などがあり、30年以上前から行われているが、保険収載されていない。このため、マニュアルを作成することで治療法の標準化を図り、保険収載につなげたい考えだ。
マニュアル案では、胎児輸血(赤血球輸血)について、胎児重症貧血を適応の条件とし、▽妊娠18−25週▽母児感染を引き起こすHIVなどの重症感染症がない▽子宮内感染がない▽母体が胎児輸血に耐えられる−といった要件を満たす必要性を挙げている。
麻酔の項目では、胎動が活発で、胎児の鎮静や胎動抑制が必要な時は、麻酔(ベクロニウム)を胎児に直接筋注することがあると説明。手技の項目では、穿刺針の種類や穿刺方法などを取り上げ、「臍帯静脈径は最低でも3−4ミリないと超音波ガイド下での穿刺が難しい」といった留意事項を記載している。
また、胎児輸血の有効性と安全性を担保するためには、「輸血量が適切であることが重要」と指摘。特に妊娠24週未満の場合は、循環負荷が大きくなり過ぎないように初回輸血では、血球の割合を示す「ヘマトクリット値」の目標を低めに設定するよう促している。
輸血の合併症に関しては、「一過性の胎児徐脈が最も多いが、通常は改善する」と説明。胎児輸血後の生存率は約90%としながらも、「治療成績は、対象疾患や重症度、施設の経験によって異なる」としている。
引用元:
胎児への輸血、手技や麻酔の方法は? (株式会社CBnews)