山菜採り時期 県、警戒呼びかけ


見た目がよく似ているニラ(左)とスイセン。スイセンにはやや厚みがあり、においがないという特徴がある=県提供
見た目がよく似ているニラ(左)とスイセン。スイセンにはやや厚みがあり、においがないという特徴がある=県提供






 長野市の豊野高等専修学校の生徒ら14人が16日、スイセンを誤って食べたことによる食中毒とみられる症状で病院に搬送された。詳しい原因は長野市保健所が調べているが、県内では昨年のこの時期も3件、有毒植物の誤食による食中毒が起きたことから、県が注意を呼びかけている。

 県食品・生活衛生課によると、暖かくなり山菜採りが盛んに行われる4〜5月は、有毒な植物の誤食で食中毒が増える傾向にあるという。昨年4月には中野市の家族4人がニラと誤ってスイセンの葉を食べてしまった。5月には伊那市の小学校で児童と教員11人がノビルと間違えてスイセンの球根を食べたほか、木曽郡で2人が山菜のオオバギボウシと誤って有毒のバイケイソウの葉を食べるなど、計3件の食中毒が相次いだ。

 同課は「よくわからない植物は『絶対に採らない、食べない、人にあげない』を徹底してほしい」と呼びかけている。

ニラとスイセン においで判別



 有毒な植物のうち、特にスイセンは、ニラと誤って食べてしまうケースが多い。スイセンの葉は無臭なのでにおいで判別できるが、見た目がニラとよく似ている。県内では郷土料理のニラせんべいの材料用に自宅でニラを育てている家庭も多いが、繁殖力の強いスイセンが近くに生えていることも考えられる。

 保健所などで有毒植物の判別法などを解説する薬草指導員の河原純一さん(68)は「同じ敷地内にスイセンが生えている可能性があるなら、食べない方がいい」と話している。


引用元:
似ている植物 誤食注意…14人スイセン食中毒 (読売新聞)