もし、人間の顔に目が一つしかないのが一般的だったらどうでしょう。全員が一つ目だったら、目が二つある人はどんな風に扱われるのでしょう。好奇の目にさらされ生き辛いでしょう。
そこで、今日は、『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子が“人と比べること”についてお話します。
立石美津子
「ひとつめのくに」の絵本に学ぶこと
『ひとつめのくに』という絵本を読んだことがあります。
ある男が“一つ目小僧”を見世物にしようと捕まえに行きました。そこで一つ目の子どもをさらおうとします。子どもの悲鳴を聞いて男は捕まります。そして男が連れて行かれたのは一つ目の国。二つ目の男はこの国で見世物にされました。
場所が変われば普通だった人が見世物にされる、ちょっと怖くて面白いお話です。落語にも出てくるお話です。
子育ででは自分の子どもを見てください
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実は筆者は親から「○○ちゃんは出来るのにどうして美津子はできないの」と他人と比較されて育てられました。身体も小さく、成績も悪かったのでどんなに頑張っても追いつけませんでした。
元々、出来のいい子だって同じように勉強して努力するのですから、成績の悪い自分がいくら頑張っても差は縮まることはありませんでした。永遠に終わることのないマラソンレースをさせられているようで、結構しんどかったです。
●比較してほめてはいけない
“自尊感情”だとか“自己肯定感”を作ることが大切だとかよく言われますが、「平均点以上とって偉いね」とか「一番なっておりこうだね」という他者との相対評価による褒め方をしていると、二番手三番手、またビリになったとき、あっという間にそのまがい物の“自己肯定感”は崩れ去ります。
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(C)あべゆみこ
ですから、80点でもまず認めてやること、「あと20点とれば100点だったのに」なんてダメ出ししないこと、そうすることで子どもは自分を認めることができるようになります。
常に先を行く人と比較されて育つと、どんなに成功しても「どうせ私なんて」「どうせ俺なんて」と自分にないものを探す、不幸の種を見つける悪い癖が付いてしまい、一生、“ないもの探しの旅”をおくることになるかもしれません。
そんなハッピーではない状況にならないように“比べること”を止めませんか。
周りと比べるのが人間
もし、生涯独身の人が人口の9割を占めていたら、結婚している人は「わあ、既婚者なんだ」と凄く珍しがられるでしょう。結婚していない人に対して“負け犬”なんて言葉は生まれなかったでしょう。
もしクラス全員が眼鏡をかけていたら、眼鏡をかけていない子どもは好奇の目で見られ、苛められるかもしれません。
もし、男性がみんなスカートを履くのが普通だったら、ズボンを履いている男性は珍しがられるかもしれません。このように自分の価値を周りとの比較で判断してしまうのが人間のように思います。
●80点の意味付け
80点のテストの答案用紙を家に持ち帰った子ども。一瞬、親は「80点もとったんだあ」と喜びました。けれどもクラスの平均点が90点だと知った途端、親の顔色が曇ります。
子ども自身が努力して得てきたものよりも、周りの子どもと比較してわが子がどの位置にあるかが気にになるのが親ですよね。
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(C)あべゆみこ
でも、周りと比較してあれこれ言っても、なんの意味もありません。意味がないどころか子どものやる気のをそいでしまいます。
引用元:
自分の子どもを見てますか?「子どもの将来に影響する」NG悪習慣(It Mama)