3歳まではママが育てないと子どもの成長に悪影響が生じる……という“3歳児神話”。
どこまでがホントなのか気になるところです。この連載では“3歳まで”をキーワードに、よくあるケースを取り上げ、ポイントをお伝えします。
「うちの子、グズグズしがち……」ということはありませんか?
子どものグズグズ、イライラなどの不機嫌は、睡眠の習慣からきている可能性があります。
今回は、日本小児保健協会の調査結果をもとに、睡眠習慣について解説します。
佐藤理香
睡眠のNG習慣とOK習慣
まず、「やっておこう」「やらなくてよい」ポイントをまとめると次の通りです。
○:やっておこう
「早寝・早起きの習慣を身につける」
△:やらなくてよい
「遅寝・遅起き」
「休日は平日と違う睡眠」
日本小児保健協会は、夜22時以降に就寝する子の割合を調査しました。昭和55年と平成22年を比べたところ次のような結果になっています。
・1歳6か月児:25%→30%
・2歳児:29%→35%
・3歳児:22%→31%
・4歳児:13%→26%
・5〜6歳児:10%→25%
なんと、すべての年齢で、特に2歳児は3人に1人以上が22時以降に寝ています。
一般的に、睡眠習慣が乱れると心や体の発達に影響がでることが懸念されます。
睡眠習慣の4つのポイント
出典:https://www.shutterstock.com/
日本小児保健協会の研究報告と東京都教育委員会の報告書内でまとめられている内容を参考に睡眠習慣の4つのポイントをご紹介します。
1:体温リズムの崩れでグズグズ
体温は、明け方に低下し、起きると上昇します。私たちは、体温調節によって脳や体が目覚め、活発に動けるリズムになっています。睡眠が乱れると体温のリズムも乱れてしまい、以下の症状がでることがあります。
・午前中にボーっとする
・疲れやすい
・イライラ
・グズグズ
・一日中だるい
こんなことにならないように、体温のリズムに合わせて起床と就寝を行うこと、早寝早起きが重要になります。
2:夜の“光”に注意
夜も明るい環境で過ごすと、体内時計が昼だと勘違いしてしまいます。大人も同じですが、夜更かしで朝寝坊が続くと、生体リズムが崩れ体調が悪くなります。
いつも時差ボケのような状態になってしまうのです。特に寝る前は、暗くして落ち着いた雰囲気を作りましょう。
3:成長には就寝中に分泌されるホルモンが関係
“寝る子は育つ”といいます。これは、就寝中に成長ホルモンが集中的に分泌されるためです。
成長ホルモンは、生後4ケ月くらいから分泌が始まります。4〜6歳ごろには、寝てすぐの深い眠りのときに特に多く分泌されることが分かっています。
成長ホルモンが十分に分泌されないと、脳や体の成長に影響が起こることが心配されます。
4:朝の光で体内時計をリセット
休みになると、遅寝・遅起きになりがちです。「休みだから遅くまで起きてOK」などと、つい甘やかしている家庭もあると思います。
私たちは、体内時計の働きで、睡眠・体温・ホルモン分泌などのリズムを刻んでいます。
地球の周期は24時間ですが、生体リズムは24.5時間のため1日でズレが生じます。
このズレをリセットするために必要なのが、朝に光を浴びること。
朝の光で体内時計をリセットするのです。
いかがでしたか?
子どもの健康と成長には、質の高い睡眠が必要です。これまでの習慣を一気に変えることは難しくても、1日5分ずつ前倒しして就寝するといったように負荷の少ないやり方もあります。
年齢が上がるほど習慣を変えるのが難しくなります。ぜひ3歳までによい睡眠習慣が身につくといいですね!
引用元:
グズグズが悪化する…!? 注意したい睡眠習慣4つ【3歳児神話#12】(It Mama)