妊娠から出産後まで、切れ目なく子育てを支援する「ネウボラ」と呼ばれる取り組みが、県内の自治体で広がっている。市原市は四月に「子育てネウボラセンター」を開設し、妊婦の相談支援の充実や家事の援助サービスを始めた。二〇一五年度以降、少なくとも二十市町でこうした支援体制がつくられ、子育て世帯の一助になっている。 (中山岳)


 「おめでとうございます。不安があれば何でも相談してくださいね」。市原市更級の「子育てネウボラセンター」の相談室。保健師の臼井美千代さんが、妊娠を届け出た市内の女性に、優しく語りかけた。


 ネウボラは、フィンランド語で「アドバイスの場」という意味。フィンランドで女性の妊娠から出産、子どもが就学する前まで家族全体を支援する取り組みを指す。


 市原市は、一年間に約二千人の妊娠届を受ける。子育てネウボラセンターは、六月から保健師を一人増員し、市内で妊娠を届け出た全ての女性と面接し、相談に応じる。臼井さんは「初めて妊娠した人は、何が分からないかも分からない状態。気軽に利用してほしい」と話す。


 市は三月から、日中に母親が一人で乳児を育てる核家族を対象に、出産前後の時期に家事や育児をサポートするヘルパーの派遣事業も始めた。全二十回、ヘルパーを派遣し、一回当たり一〜二時間、料理や清掃、おむつ替えなどの支援を受けられる。利用料は市が補助し、一時間当たり九百円。生活保護世帯などは一時間百五十円で利用できる。


 出産後の母親が、子どもと産科医療機関に通ったり、宿泊したりした際に育児支援を受けられる有料サービスも今夏にも始める予定。市原市が二〇一五年に乳児を育てる母親に行ったアンケートなどを基に、支援内容を決めたという。


 同センターの湯浅智子所長は「安心して妊娠や出産に臨んでもらえるようにしたい」と話し「貧困や児童虐待につながりかねないケースを早めに見つけ、専門機関につなぐこともできれば」とも語った。


 県児童家庭課によると、市原市のネウボラのように、妊娠から出産後まで切れ目ない支援を行う制度は、浦安、君津、我孫子の三市が二〇一五年度に開始。一六年度は十九市町に増えた。今後、県は各自治体の職員らを集めた研修会の開催を検討している。


引用元:
妊娠から出産後まで支援 「子育てネウボラ」県内自治体に広がり(東京新聞)