慈恵病院の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」開設10年を記念したシンポジウムが14日、熊本市内で開かれ、ゆりかごの今後や、里親への理解や環境整備の必要性について議論を交わした。

 シンポは、慈恵病院と、同病院が特別養子縁組を委託する一般社団法人「命をつなぐゆりかご」(埼玉県川口市)が、2015年に開いた続編として企画。母子支援に取り組む産科医や研究者らが取り組みの現状などを報告した。

 基調講演では、同病院の蓮田太二理事長が、ゆりかごの匿名性を堅持する必要性を強調したうえで、「匿名で預けられた子どもは出自のことで悩むと思うが、早い段階から愛情のある家庭で育つことで、悩む程度が軽くなる」とし、家庭での養育への理解と協力を呼びかけた。

 一般社団法人「全国養子縁組団体協議会」代表理事で静岡大の白井千晶教授(家族社会学)が、日本の里親委託率が世界的に低い現状を説明し、「日本は都道府県によっても委託率に差がある」と指摘。「養子候補児や養親適格者の全国のデーターベースを作ることが必要」などとした。

 白井教授は、米国では10歳代の母親が通うことのできる高校があることにも触れ、「(昨年成立した)改正児童福祉法は妊婦の支援に触れておらず、更なる法整備が必要」と訴えた。


引用元:
里親への理解呼びかけ 赤ちゃんポスト10年 (読売新聞)