生まれたばかりの赤ちゃんの肌や目が黄色っぽくなる「新生児黄疸」。通常は新生児の臓器が落ち着く1〜2週間もすれば元に戻りますが、一体なにが原因で肌が黄色くなってしまうのでしょうか? 今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、新生児黄疸の症状と原因について解説します

新生児黄疸と呼ばれるこの症状の原因はいろいろ考えられますが、普通は新生児の臓器が落ち着く1〜2週間もすれば元に戻ります。ではこの新生児黄疸の原因はなんでしょうか。新生児に共通して見られるのはなぜでしょうか。

黄疸は英語で「jaundice」といいますが、元はフランス語で「黄色」を意味する「jaune」が語源になっています。「icterus」ともいいますが、これは「黄色い鳥」を意味する古代ギリシャ語において病状を指す言葉が元になっています。言い伝えによれば、黄疸になった人は黄色い鳥を見つめると、不思議な力で黄色っぽさを鳥に移せるといわれています。

もちろん実際は違うので安心してください(笑)。

実際には、血液中のビリルビンという物質の濃度が高まることで黄疸は発現します。ビリルビンは古くなった赤血球が分解された時に発生する黄色い代謝物です。これによってアザが黄色くなったりしますし、便が茶色くなっているのもこの物質のせいです。

通常なら血液中のビリルビンは肝臓でこし取られて腸から排泄されます。しかし新生児の肝臓はまだ発達しきっていないため、ビリルビンを血液からスムーズにこし取ることができずに肌が黄色くなるのです。

穏やかに発現するこの種の黄疸はどの赤ちゃんにも見られるため、新生児黄疸と呼ばれています。

しかし別の種類の黄疸もあります。未熟児はビリルビンを取り除く力がさらに弱いため、黄疸がさらに発現しやすくなります。また母乳を十分に与えられなかった場合にも黄疸が見られることがあります。この場合は腸が十分に活動しないためにビリルビンを排泄できないために起こります。

逆に、まれなケースではありますが母乳性黄疸といって、肝臓で行なわれるビリルビンの処理を母乳に含まれる成分が妨害することで見られる黄疸もあります。

母親と赤ちゃんの血液型が異なるために起こる黄疸もあります。母親の体内で作られた抗体が赤ちゃんの赤血球を壊してしまい、その結果過剰なビリルビンが血流に乗ってしまうのです。

こうした黄疸は特別な治療などをしなくても、数週間もして赤ちゃんが成長すればなくなってしまいます。

ですが、黄疸がひどくなったり別の病状も見られたりするなら、病院に行ってビリルビンを下げてもらうべきでしょう。治療には、紫外線を照射して赤ちゃんのビリルビンを分解する光線療法から、正常な赤血球を注入する交換輸血まであります。

黄色い鳥を見させるというのは……行われていないみたいですね(笑)。

引用元:
赤ちゃんの肌が黄色くなるのはなぜ? 「新生児黄疸」について解説(ログミー)