今回はオチのない、そして正解のない話をします。子育て論のことです。
今やわが子の頭をこづくのですらもってのほか、悪いことをしても「バカ!」と子どもの人格を否定するのではなく、なぜそれが悪いことなのかを丁寧に説明する……といった子育て論が正解とされてるじゃないですか。それは、異論をはさむ余地などないってくらいに。
それらを否定する気なんて全然なく、その通り! と思いますよ。皆さんもそうですよね? でも、こうも思いません?
きれいごとは面倒くせえなあと(笑)。
「NOイヤイヤ期 NOライフ」な2歳8ヶ月
出典:https://itmama.jp/
だってね、子どもって丁寧に言えば言うほどにつけあがりますし、相手が耳を貸すまで丁寧に言い続けるその根比べ、僕は正直、子育てのかなり早い段階から諦めてしまいました。
もともと人の数倍はイラチで、すぐ「うわっ!」と爆発してしまう僕に、そんなことはできません。
しかし妻は、僕と真逆の性格。2歳8ケ月になり、いまだ絶賛イヤイヤ期中のグラ太に対しても、少しも怒鳴ることなく懇切丁寧に語りかけ、根比べをしておるわけです。
「グラ太、おむつ替えましょう」
「いやー」
「お着替えは?」
「だめー」
「ほら、折り紙出すならレールをしまいましょう」
「いやー」
こんなすべてに「NO!」を突き付ける『NOイヤイヤ期 NOライフ』なガキに対して、言葉を荒げることもなくイチから順を踏んで教えようとしているのですから、頭が下がり過ぎて「ブラジルのみなさーん!」と叫びそうになるほどです。
2歳児のヒエラルギーは「パパ>ぼく>ママ」
しかし「正しい」とされる教育論を実践し続けた結果……妻は、2歳児に舐められるようになったのです。何を言っても、一切言うことを聞かない。「どんなにワガママを言っても、パパのように怒鳴らないし」ということなのでしょう。
ですからたぶん、グラ太のなかのヒエラルギーは、
パパ>ぼく>ママ
だと思われます。
一方、僕は相当のイラチなので、すぐ怒鳴ります。気が短いので、イチからではなくハチぐらいから説明します。そんな、子育てとも呼べない僕の対応に、世のママたちはこう言うでしょう。
「それは恐怖で支配しているだけ」
「何が悪かったのか、本質的に理解していない」
もちろん、そうだと思います。正論にはひれ伏すばかりです。その反面というか、土日は朝から晩まで子どもとふたりっきりで遊び、平日も原稿が早くあがれば午後3時ぐらいに保育園にお迎えに。
そこからボートに乗ったり、ポニーに乗ったり。あと2〜3日にいっぺんは銭湯にも行ってます。ですからグラ太にとって僕は、「すげーおっかねえけど、すげー遊んでくれる楽しい人」なのです。
これだけ遊んでくれて、遊びの途中にはお菓子も買ってくれる。そりゃあ「パパ大好き!」となるでしょう。僕が仕事で忙しくかまってあげられないと、グラ太は不満そうな顔に。すると妻はこう言います。「ねえグラ太、ママと遊ぼう!」。するとグラ太は……
「ママじゃ、がまんでちないっ!」
愛されてることは嬉しいんですが、やはり困ってしまいます。
さて、いつもはグラ太と楽しく遊んでいるのですが、やはりそこは絶賛イヤイヤ期中。わがままを連発してきて、僕はイライラ。教科書通りに何がいけないのかをイチから説明しなければいけないのですが、僕にはそれができません。そしてつい、こう言ってしまいます。
「もうお前とは遊ばねえよ!」
そう言うとグラ太は、本当にこの世の終えんを迎えたような顔をし、ひきつけを起こすんじゃないかってくらいにギャン泣きし、言うことをききます。何度も言いますが、自分はこのやり方が正しいとは思っていません。
ここまで読んでお気づきの方もいると思いますが、僕はグラ太に対して“息子”という感覚が薄く、“親友”或いは“年の離れた弟”といった言葉が当てはまる気がするんです。
さっき休日はおろか平日も遊んであげてる、というようなことを書きましたが、それも僕がただ遊びたいだけ。グラ太をあまりにもきつく叱ってしまった日は、さすがに胸が痛みます。そんなときは「グラ太、怒鳴ってごめんな」と素直に謝るのですが、グラ太は一拍置き、
「……いいよ」
何これ、兄弟ゲンカまんまやんけっ!
おっかなくて楽しいパパ、すべてを受け止めてくれるやさしいママ
じゃあ、正しい教育論を実践している妻が報われないじゃない! という話ですが、先日こんなことが。
3人、リビングでテレビを観ていると、妻が「ちょっと肩もんでくれない?」と。フルタイムで働き子育てもしている妻の肩は、ゴリッゴリに凝っていました。僕がマッサージを始めると、「痛っ!」「痛タタタタ!」とこぼし、顔を苦痛に歪めています。その様子をしばらく見ていたグラ太は、決死の表情でこう言ったのです。
「パパ、やめてえ」
「パパ、やめてあげてよー」
どんなワガママを言っても全部受け止めてくれる、大好きなママ。そのママを、怖いパパがいじめてる! 助けてあげなきゃ! ということなのでしょう。僕ら夫婦は、あまりにもかわいいその言動に大笑いして、それ以上の愛おしさがこみ上げてきたのでした。
2歳の息子に助けてもらったヒエラルギー最下位の妻に至っては「子どもを産んで、本当によかった」と涙ぐんでいたほど。
おっかなくて楽しいパパ、すべてを受け止めてくれるやさしいママ。やはり両方ないとダメなのかもしれませんね。
ね、だから最初に言ったでしょ? オチも、正解もない話だって。
引用元:
2歳イヤイヤ男児のママとパパの「格付け」は?(It Mama)