大阪国際がんセンターは27日、笑いががん患者の免疫機能や生活の質(QOL)に与える影響を医学的に検証すると発表した。関西に拠点を置く芸能事務所の松竹芸能、米朝事務所、吉本興業が協力する。患者に落語や漫才を鑑賞してもらい、血液検査で変化を調べる全国初の取り組みで、研究成果は国際学術雑誌に公表する予定だ。
 記者会見した研究責任者の左近賢人病院長は「がん患者は肉体的、精神的なストレスを感じやすい。笑いが本当に効果があるのか科学的に解明したい」と意気込みを語った。
 研究に参加するのは、がんで通院中の患者70人と看護師ら。5月から4カ月間、2週間ごとに同センター内のホールで桂文枝さんや桂ざこばさんの落語、オール阪神・巨人さん、海原はるか・かなたさんの漫才など計8回の公演を楽しんでもらう。
 期間中に血液検査を5回行い、白血球の数やストレスの程度を示す数値の変化を調べる。また、QOLを調べるアンケートも実施する。
 研究では、患者を前半4回の公演だけを見るグループ、後半4回だけのグループ、全8回を見るグループに分け、血液検査でどのような数値の違いが出るのかも調べる。
 協力する落語家の桂文珍さんも会見に同席し、「笑いで元気になったという話は聞く。私の落語で患者さんの数値が悪くならないように頑張りたい」と笑いを誘った。

引用元:
笑いの効能、がん医療で研究=免疫機能やQOL影響検証−大阪国際がんセンター(時事通信)