5月5日の"子どもの日"は、五節句の1つとなる端午(たんご)の節句。健やかな子どもの成長を願うための、伝統行事に込められた意味を紹介します。




子どもの日、そもそもの由来は?


端午の節句の由来とは?

その昔、中国では、旧歴の5月は病気が蔓延しやすく、毎年多くの人が亡くなる「忌み月」とされていました。そのため厄災や穢れを払う力が宿っているとされる菖蒲やヨモギを門に飾り、菖蒲酒を飲んで邪気を払ったことが始まりとされます。




病気が蔓延しやすい旧暦の5月、中国では菖蒲やヨモギで邪気払いをしていました


端午の「端」とは「はじめ」を意味し、「午」は午(うし)の日を意味します。月初めの牛の日ということとなりますが、午は五に通じ、五が重なるなどことから、「重五(ちょうご)の節句」とも呼ばれ、現在では5月5日なったといわれます。

菖蒲で厄払い

日本でも暑さが増し、季節の変わり目となるこの時期は体調を崩しやすいため、薬草を摘み邪気払いが行われるようになりました。菖蒲は昔から薬草として煎じて飲まれており、根は漢方薬として胃腸の調子を整えたり、解熱をしたり、傷口を治したりするのに使われています。

そのため、この日は「菖蒲(尚武)の節句」とも言われ、5月5日には菖蒲酒にして飲んだり、菖蒲枕として枕の下に敷き眠ったり、菖蒲湯に入ったりして、災いとなる邪気を払い健康長寿を願いました。







菖蒲は薬草としても使われていたため、日本でも菖蒲湯や菖蒲酒の習慣が残っています


柏餅やちまきの意味は?

柏の葉は、新しい芽が出ないと古い葉が落ちないことから「家系が絶えることがない」とされ、子孫繁栄、健康長寿の願いが込められています。




柏の葉には、「家系が絶えることがない」という意味が


ちまきは、中国の故事に由来します。その昔、楚(そ)の国の王の側近である屈原(くつげん)が、陰謀によって失意の中、川に身を投げ亡くなってしまいました。

屈原を慕っていた多くの人が、供物を川へ投げて弔っていたところ、幽霊となった屈原が出てきてこう言ったとされます。「供物は有り難いが、悪龍に盗られてしまう。悪龍が嫌う楝樹(れんじゅ)の葉で包み、邪気を払う五色(青・赤・黄・白・黒)の糸で縛ってほしい」。人々がその通りにすると、屈原の元に無事届くようになったとされます。この五色は、物事をスムーズに進める意味をもち、鯉のぼりの吹き流しにも使われています。このことからちまきは、災いを避けることができ、無病息災の縁起の良い食べ物とされます。




ちまきは、災いを避ける縁起物なのです



いかがでしょうか。現代のように男の子のお祭りとして勇ましく立派な兜や鯉のぼりを飾るようになったのは、武家社会になってからです。季節の変わり目に大人も子どもも、男性や女性も、菖蒲湯に浸かり、柏餅やちまきを食べ、邪気払いをして、体調を整えるといいでしょう


引用元:
子どもの日、なぜ菖蒲や柏餅で祝うの? 由来と本来の意味は(マイナビニュース)