厚生労働省研究班は10日、子宮頸(けい)がんワクチンを接種した後、10万人に15.6人の頻度で、全身の痛みや起立障害など10以上の症状が出たとの推計を公表した。接種しない女性で10以上の症状がある人は同5.3人だった。厚労省は「推計から接種との因果関係は明らかにできない」としている。

 研究班は推計を有識者検討部会に同日報告。積極的勧奨を再開するかどうかの判断材料の一つになる。

 研究班は全国の病院を対象に2015年7〜12月の間、同ワクチンを接種した女性が訴える「多様な症状」が出たケースの有無を調べた。昨年12月には第1弾の調査結果として、未接種者でも接種者と同様の症状があると報告していた。

 今回はさらに分析を進め、症状の数ごとに人口10万人当たりの患者数を推計した。症状が1つ以上は、接種者が同27.8人で未接種者は同20.4人。症状の数を加えても、接種者の方が未接種者より頻度が高かった。一方で、症状が10以上ある未接種者も一定数いる、と報告した。

 研究班は同ワクチンの接種から発症までの期間別の頻度も分析。全体は同27.8人だが、1年以内に発症した女性に絞ると同17.5人になるとし、未接種者の同20.4人を下回るとしている。


引用元:
子宮頸がんワクチンで症状10以上、10万人に15.6人(日本経済新聞)