妊娠と乳がんの関係

乳がんは20〜30代の若い世代でもかかる可能性があり、そのなかには妊娠中の人も含まれます。妊娠によって乳がんになりやすくなるといったことはありません。

しかし、妊娠中から出産後の授乳期は乳腺が発達して乳房が張り、しこりを発見しにくくなります。そのため、気づいたときにはかなり進行してしまっている場合が多くあります。

妊娠〜授乳期の乳房のしこりは乳がん以外の可能性もありますが、がんの早期発見のためにも、以下のような状態を感じたら早めに担当医に相談しましょう。

・乳房やその周辺、わきの下にしこりがある。または、皮膚が厚くなったように感じるところがある。

・乳房の大きさや形が以前と違う。

・乳房の皮膚に、へこんだり、シワがよったりしたところがある。

・乳頭が陥没している。

・乳頭から分泌物が出ることがある(母乳以外。特に血が混ざる)

・乳房、乳頭、乳輪の皮膚に、うろこ状、赤み、腫れのある部分がある

・乳房に、橙皮状皮膚(とうひじょうひふ)がみられる(皮膚がオレンジの皮のような状態)



妊娠中の乳がん検診について



マンモグラフィー検査は胎児に影響をおよぼすX線量ではありません。

しかし、妊娠中は不必要な被ばくは避けた方がいいため、超音波検査が行われます。出産後の授乳期でもマンモグラフィーは可能ですが、乳汁の影響でがんを見つけるのが困難なため、まずは超音波検査が勧められます。

妊娠が進むほどがんを見つけにくくなるため、できるだけ早いタイミング(妊娠週数16週未満)で超音波検査を行うのがおすすめです。



妊娠中の乳がん治療について



乳がんの進行度合いに応じ、乳房温存術や乳房全摘術などの手術によってがんを取り除く治療が行われます。

手術後の放射線療法は胎児への影響を考慮しながら行われ、ステージ0〜II期の早期がんであれば放射線療法は行われません。ステージV〜IV期の進行がんであっても、妊娠3か月目までは控えるようにします。

化学療法(抗がん剤)は、妊娠3か月を過ぎたら行うことができますが、早産や低体重の原因となることもあるため、状況を見極めながら実施されます。

なお、妊娠中における乳がんのホルモン療法については、有効性がまだよくわかっていないのが現状です。また、人工妊娠中絶によって、母親の予後がよくなることはないと考えられています。

妊娠中は乳がんの発見が遅れて予後が悪くなる傾向にありますが、できる限り早期に発見して治療をすすめれば予後もよくなると言います。

そのため、妊娠を考えている人、特に家族に乳がんを発症した人がいる場合は、妊娠前に乳がん検診を行うようにし、妊娠中も乳房の変化に早く気付けるよう心がけましょう。


引用元:
妊娠中に乳がんにかかったら(cozre(コズレ))