他人に対して人見知りする赤ちゃんでもそうでもない赤ちゃんでも、子どもはママに抱っこされることを好みます。親が手を拡げるとギュっと抱きついてきます。

でも、親なのに抱っこをしようとすると反り返って嫌がったり、泣きわめいたりして拒否する子がいます。何故でしょうか?

今日は‟子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方”の著者の立石美津子がお話します。
過敏性が高い子ども


source:https://www.shutterstock.com/

人には聴覚、臭覚、味覚、触覚など五感を通してさまざまな感覚があります。感覚の感じ方は個人差があります。例えば、テレビの音量もある人には快適な音量でもある人には小さすぎたり、また大きすぎたりします。

その中で自閉症に代表される発達障害の子どもには、これらの刺激に対して感覚の偏りがあると言われています。例えば、通常、蛍光灯の光や音は気にならないものですが、これをひどく嫌がるケースもあります

そうなると、その場所にいるだけで本人にとっては耐えがたい苦痛となります。

この中で皮膚感覚の過敏さにより、たとえ親であろうと抱かれるのを拒否することがあります。


抱っこされるのを嫌がる場合の対処法


source:https://www.shutterstock.com/

触覚が過敏な場合には、皮膚に触れる刺激を過剰に感じて不快を覚えます。痛みのような感覚さえ持つ子もいます。

抱っこだけではなく、手をつなぐことやシャワーを嫌がったり、ムニュっとしたボールを触れなかったり、爪を切られるのをひどく嫌うこともあります。

幼稚園の工作で使う粘土や糊、土、着ている洋服の繊維を拒む場合もあります。

こんなときは無理矢理、慣れさせようとしてはいけません。不安感が増すだけだからです。母親がミルクをくれたり、オムツを替えてくれたりして安心できる存在だとわかるようになり、同時に成長により様々な経験を積むうちに改善されることもあります。

皮膚感覚が過敏な子には抱っこの時、タオルなどでくるんで抱っこする、手をつなぐのを嫌がる場合は首の後ろの洋服の部分を持つなど、直接人の皮膚が振れないようにする工夫をしましょう。



ママが嫌い、懐かない、人が嫌いで心を閉ざして拒否反応を示しているわけではありません。感覚が過敏だからです。抱っこを拒否されると悲しいですが、特性を理解してあげることが大切ですよ。

そして、子どもが安心して日常生活を送れるよう工夫してやりましょう。

それから、幼稚園や保育園で椅子に座っていられない状態は単なる落ち着きのなさだけでなく、そこにある光や音が耐えられず、避けるために教室から出てしまうこともあります。
すぐに叱らず、子どもの行動の原因をじっくり探ることが肝心ですよ。

引用元:
ママの抱っこを拒否する…「過敏性が高い子」って?(It Mama)