世界保健機関(WHO)は9日までに、2015年に全世界でがんにより880万人が亡くなり、大半はがん医療の不十分な中・低所得国に集中していると発表した。死者数減少のためにはがんの早期診断の普及が重要と強調。早期診断による治療効果は乳がん、子宮頸がん、大腸がんで顕著だとしている。

 WHOは早期診断のための新たなガイドラインも公表。さまざまながんの初期症状の知識を広め、患者に早期治療を促したり、正確で適切な診断実施のための設備や人材育成に投資したりすることを求めている。

 また、がん患者の医療費や労働できないことによる経済的損失は全世界で10年に推計1兆1600億ドル(約131兆円)と分析。「早期診断の普及で医療費など経済負担を大きく減らせる効果がある」とした。WHOは、世界で毎年1400万人以上ががんと診断されていると指摘、このペースが続けば30年までに2100万人を超えると予想している。(共同)


引用元:
世界のがん死880万人 中・低所得国に集中 WHO「早期診断重要」(産経ニュース)