京都府は、周産期のハイリスクな治療にあたる病院で、重症の新生児が一定程度回復した場合、府内の10病院に転院させることができる新たな医療体制を2017年度に導入する。京都第一赤十字病院(京都市東山区)などの新生児集中治療室(NICU)はほぼ満杯になっており、患者を健康状態に応じて各病院に分散させることで、緊急時に高度な医療を確実に提供できるようにする。

 NICUなどの入院児は、在宅医療が可能になるまで同じ病院で入院生活を続けるケースが多い。NICUの稼働率(14年度)は、「総合周産期母子医療センター」に指定されている京都第一赤十字病院が100・2%、府立医科大付属病院(上京区)と京都大医学部付属病院(左京区)が97・9%となっている。

 転院の受け入れ先は、異常分娩や未熟児を扱う「周産期医療2次病院」が中心となる。転院元の病院から個別に依頼を受け、十分な医療体制が確保でき、保護者の了解が得られた場合に患者を受け入れる。

 2次病院は府内に六つある医療圏にそれぞれあり、より自宅に近い場所で治療を受けられる。在宅医療へのスムーズな移行につなげる狙いもある。

 府内の生後4週未満の新生児死亡率(千人あたりの人数)は15年で1・6人と全国の都道府県で2番目、1歳未満の乳児死亡率(同)も2・5人と全国で4番目に高い。府医療課は「現時点ではNICUが満杯であることと死亡率の高さに因果関係はないと考えるが、NICUを十分確保することは重要。緊急時にもしっかり対応できる体制をつくりたい」としている。

 新生児の転院を受け入れる病院は次の通り。

 舞鶴医療センター(舞鶴市)、府立医科大付属北部医療センター(与謝野町)、福知山市民病院(福知山市)、公立南丹病院(南丹市)、日本バプテスト病院(左京区)、京都第二日赤(上京区)、済生会京都府病院(長岡京市)、京都医療センター(伏見区)、宇治徳洲会病院(宇治市)、田辺中央病院(京田辺市)



引用元:
満員NICUの負担軽減 重症新生児転院しやすく印刷用画面を開く(京都新聞)