診療から手術まで一貫


 富山市の済生会富山病院が今月、泌尿器科に男性不妊症外来を開設した。泌尿器科では長年男性の不妊症治療を行ってきたが、分かりやすい専門外来を設けることで、より受診しやすくした。


 同院によると不妊症は、避妊していないのに一年以上妊娠しない状態を指す。原因の約半分は男性側にあるとされる。男性の不妊症は泌尿器科がある医療機関なら診察可能だが、外来診療から手術を含む一貫した治療を手掛けられるのは県内では同病院だけ。男性の不妊症治療を専門にする風間泰蔵副院長が診察に当たる。


 精液検査などを実施し、異常があれば血液や超音波、染色体も調べる。精巣やその近くで精子を作る力が低下している「造精機能障害」で不妊症とされた場合は、薬による治療などを進める。精子の通り道が詰まる「精路通過障害」のケースでは、精液の通り道を再建する手術や、詰まっている部分より上の精巣から精子を取り出して体外受精などに使う。


 男性不妊症の原因は、造精機能障害が83%と最多。この障害は六割近くが原因不明とされるが、おたふくかぜによる精巣炎、染色体異常なども考えられている。同院の担当者は「男性も早めの受診が必要」と呼び掛けている。 (伊勢村優樹)

所得制限なくし助成利用最多に


 妊娠を望む県内の夫婦で、昨年度に特定不妊治療を受け公的助成制度を利用した件数は延べ二千六百七十二件だった。前年度から二百八十七件増え、二〇〇四年度の制度導入以来最多だった。制度が周知、拡充されてきたことが利用を促しているという。


 助成制度の対象は保険適用外の体外受精と、顕微授精。例えば体外受精だと三十万〜四十万円の費用がかかるなど治療費が高額なため、国と自治体が治療費の一部を負担する。県や富山市の現在の制度では、他県に先駆けて所得制限をなくし、初回治療は三十万円、二回目以降は十五万円を上限に支給。昨年度からは別途、男性不妊治療費(精子採取術)として一回につき十五万円を支給している。


 県によると、昨年度に県不妊専門相談センターへ寄せられた相談件数は、前年度と同水準の約二百件。治療や病院情報に加え、近年は男性不妊の相談も増えているという。(問)同センター076(482)3033 (伊勢村優樹)


引用元:
男性不妊症に専門外来 済生会富山病院が開設(中日新聞)