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「産後うつ」「母乳ノイローゼ」、その上「インフルエンザ」と、次から次へと押し寄せる「トラブルの波」にすっかり溺れた第1子の産後。

前回は、ある日突然の悪寒から始まった「乳腺炎」について、日本と米国で対処の仕方が全く正反対で大混乱した様子をお伝えしました。

今回は、わが家と周りのアメリカ人家庭との違いに驚いた「添い寝」についてお伝えします!
「赤ちゃんの隣で寝るのが当たり前」だった

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初出産2日後に自宅に戻って以来、赤ちゃんの隣で寝起きする日々でした。

毎日、昼夜お構いなしに1-2時間ごとに泣き叫ぶ赤ちゃんの世話でヘットヘト。

夜中に泣き声が聞こえたら、即座に寝たままの体勢で隣の赤ちゃんに授乳。それが、少しでも体力を消耗しないための最適な方法と感じていました。



ところがある日、アメリカ人の友人と話していたときのことです。

「隣で寝ていたら、あなたも赤ちゃんもよく寝られないでしょう!」と驚いた表情で言うのです。

生後6ヶ月に入ると、かかりつけの小児科医からも、「そろそろ別々に寝たほうが、母子共にぐっすり眠れますよ」と、アドバイスをいただきました。



「添い寝」派と「別々の室寝」派

米国に暮す筆者夫婦の身近な周りには、多様な文化背景を持つ知り合いが多くいます。

そこで、会う人会う人に聞いて回りました。

すると、アジア、中南米、アフリカ出身、そしてヨーロッパでもより南の地域出身の方々の多くが、「添い寝」をしていると答えました。

一方、北米で生まれ育った方々や、ヨーロッパのより北の地域出身の方々の多くが「別々の寝室」と答えたのです。



この結果は、その後調べてみた世界中200の国々を対象とした研究結果とも、ほとんど合致しているようです。

筆者家は、南米出身の夫のため「添い寝」がより自然なスタイルでした。それでもアメリカで生まれ育った配偶者を持つアジア系の知り合いは、早い時期から乳児をトレーニングし、「別々の室寝」にさせる家庭も多かったです。

また実は世界人口の90%近くの人々が、「添い寝」を主流としているとも知りました。

200年ほど前には、欧米文化でも「別々の室寝」が主流だったともいいます。

米国では「別々の室寝」が当たり前だったんですが、世界を見回せば、それはほんの少数派だったのです。
それぞれのメリット・デメリット

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「添い寝」と「別々の室寝」のメリットとデメリットについては、諸説ありますが、周りの方々に聞いた両者側の「意見」をまとめると、以下のようになります。


■「添い寝」派の意見

メリット

・起き上がって授乳する必要がないためママの休憩時間が増える。
・乳児の異変に気づくことができる。
・親子の絆が深まる。

デメリット

・親子共にどちらかが動くことで目が覚めてしまうためよく眠られない。
・乳児が少しでもグズるとすぐ授乳してしまうため頻繁授乳の癖がつく。
・夫婦仲に響く。




■「別々の寝室」派の意見

メリット

・親子共によく眠られる。
・乳児が夜中に目が覚めても自分で眠るようになる。
・親が乳児の世話から解放され気持ちがリフレッシュする

デメリット

・乳児を別室で眠られるようにトレーニングするのに時間と忍耐が必要。
・必ず決まった時間に寝かせる必要がありスケジュールの柔軟性に欠ける。
・他の部屋にいても聞こえるよう乳児部屋にモニターをつけたりと、より道具が必要。

この他にも、添い寝は子どもの自立心を損なうという意見も聞かれましたが、それでは「世界中90%の人々の自立心に難あり」となってしまいますから、これは、考慮する必要のない意見だと思います。



「最適なスタイル」を見出す大切さ

筆者は、物心ついた時から両親とは別室で寝ていました。そして、毎晩真夜中に目を覚まし、不安と恐怖に震えながら真っ暗な廊下を通って両親の寝室へ歩いていった記憶があります。

こうした筆者自身の体験から、子ども達にはなるべく「添い寝」をしてやりたいなという気持ちがありました。



とはいえ、周りの大多数、しかも小児科医までもが「別々の室寝」をすすめます。

それでも周りに聞き、リサーチすることで、「別々の室寝」にも「添い寝」にも、それぞれメリットとデメリットがあると知り、前向きに「添い寝」を選択することができました。



この体験は、その後の子育てにとって大切な、周りの意見に揺れながらも、情報を集め自らの道を少しずつ築いていく姿勢を教えてくれたように思います。

周りの主流と違ったとしても、情報を集め、ママと目の前の子どもにとっての「最適なスタイル」を見出していきたいですね。


引用元:
なんと世界の90%が添い寝!それでも「別室で寝る」派がいる理由(It Mama)