赤ちゃんの目の前に2人の大人がいたとき、1人が気づいたものにもう1人が気づいていないと、赤ちゃんは“気づいていない”大人を気にする―。1歳半の赤ちゃんには、このような「気遣い」が見られることを、九州大学大学院人間環境学研究院の橋彌和秀准教授らの研究グループが明らかにした。

 実験には、生後9カ月・1歳・1歳半の赤ちゃん(各24人)と保護者が参加。保護者のひざに座った赤ちゃんに、2人の成人女性が登場する2つの動画(各11秒間)を見せ、赤ちゃんが画面のどの部分をどんな順番で見たかを、視線計測装置で測定した。動画の1つは、2人が互いに顔を見合わせてから、片方が前にある2つのおもちゃのうち1つに視線を向けるもの。もう1つの動画は、2人が互いに顔を背けた後に、1人がおもちゃに視線を向けるもの。さて、赤ちゃんの反応はいかに? 9カ月と1歳の赤ちゃんは、どちらの条件でもおもちゃを見た女性の視線を追っていた。一方、1歳半の赤ちゃんは、後者の最初に顔を背けるパターンでは、おもちゃを見た女性ではなく、顔を背けたままの女性の方に視線を向けていた。これを研究グループでは、赤ちゃんが、「気づいていない」他者に自発的な関心を寄せ、それが視線に反映されたと解釈。1歳半の赤ちゃんが、「相手の気づいていない+知らないもの」を教えたがる傾向に加え、自分とは違う他者同士の知識・認識の違いを気遣うまでの感受性の高さを持っていることを示すと結論付けた。

 赤ちゃんは、大人が教えたことを学ぶだけでなく、赤ちゃん自身が情報を発信し、周りの様子に気をもんだりしている―。そんなことを知ると、赤ちゃんという存在をより多角的な視点から理解することにつながりそうだ


引用元:
「ねえねえ、気づいてないよ」 1歳半の赤ちゃんの“気づいていない”大人への気遣い(エキサイトニュース)