ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行している。こまめな手洗いで、感染を防ぎたい。



 全国約3000か所の小児科からの患者報告数は、11日までの1週間で、1か所あたり19・45人だった。昨年同時期の2倍以上で、大流行した2012年に並ぶ勢いだ。

 都道府県別では、山形県が45・37人で、最も多い。宮城、埼玉、三重など13都県で、報告数が20人超の「警報レベル」に達した。

 保育園や幼稚園、小学校での集団感染が目立つ。茨城県では今月中旬までに、13の小学校や保育園で約700人の児童や職員らが嘔吐おうとや下痢などの症状を訴えた。

 飲食店やホテルなどでの食中毒発生も相次ぐ。手で丸めた餅を食べることで、感染する恐れがあるとして、餅つき大会を中止する動きも広がっている。

 今の時期に流行する感染性胃腸炎の原因のうち、最も多いのがノロウイルスだ。感染すると、1〜2日後に下痢や嘔吐、激しい腹痛などの症状が表れる。

 大人なら数日で回復するが、抵抗力が弱い乳幼児やお年寄りの場合、脱水症状を起こして重症化しやすい。吐いたものをのどに詰まらせて、死亡したケースもある。周囲の目配りが欠かせない。

 感染力は非常に強い。少量のウイルスでも、口から入って腸内で大量に増殖する。

 予防の基本は、石鹸せっけんでの入念な手洗いだ。トイレの後や食事前には、特に徹底せねばならない。

 食べ物では、カキなど二枚貝に蓄積されやすい。生ものを出来るだけ避け、85度より高温で、90秒以上加熱することが大切だ。

 ウイルスは、患者の嘔吐物や排せつ物に大量に含まれる。

 家族が発症したら、使い捨てのマスク、手袋、エプロンを着け、塩素系漂白剤で慎重に処理する。ドアのノブなど、触れた可能性のあるところをしっかりと拭くのも、重要なポイントだ。

 厄介なのは、ウイルスの型が約30種類もあることだ。一度かかって免疫ができても、違う型に感染すると機能しない場合もある。

 同じ型であっても、遺伝子の一部は常に変化するため、免疫をすり抜けやすい。今季流行しているのは、数年前まで見られたタイプの変異型だという。

 発症しない感染者もいる。気付かないまま、家庭や職場などで感染を広げてしまう恐れがある。

 冬休みが始まり、子供が自宅で過ごす時間が多くなる。家庭での衛生教育を心がけたい。


引用元:
ノロウイルス 手洗いが感染防止の基本だ (読売新聞)