子どもも親も幸せになる 発達障害児の育て方”の著者の立石美津子の連載「もしかしてウチの子、障害児?」です。今日は第17回目です。

チックかもしれない?症状と原因

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・頭を振る
・目をパチパチさせる
・白目をむきだす
・肩を大きく揺すったりすくめたりする
・顔をしかめる
・突然飛び上がる

上記は自分の意思とは無関係に勝手に体が反応して動く“運動チック”と呼ばれるものです。

これらとは別にこれも意思とは関係なく鼻を鳴らす、咳をする、「オウゥッ」とか「アウゥ〜」叫ぶ、吠えるような声を出す、汚い言葉や卑猥な言葉を叫ぶなどの“音声チック”もあります。

子ども時代にこういった症状が出ることも多く、チック症といいます。これらの症状が長い年月続く場合はトゥレット症候群と診断されます。発達障害のカテゴリーに位置づけられています。

大人になってこの症状で苦しんでいる人も多く、公衆の面前で変な声を出したり、聞きづてならない卑猥な言葉を発したりします。

知識がなければ「なんて非常識な人なんだろう、おかしな人」と誤解されて、人知れず辛い日常生活を送っている人もいます。

脳の伝達物質であるドーパミンのバランスの崩れが原因とされる精神・神経疾患です。一卵性双生児の研究から遺伝の要因も指摘されています。



筆者の息子の場合

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息子も一次ひどいときがありました。突然動作が止まったり、首を大きく振ったり自分の意思とは関係ない動きが目立ってきたことがありました。

息子の場合、リラックスして絵本やテレビを見ているときにこれが頻繁に出ることが多かったです。ですから、診察時にこれらの症状が起こるとは限らず、動画撮影し小児専門の神経科の医師に見せました。

自閉症と既に診断されていたので最初は癲癇(てんかん)を疑い脳波などを調べましたが(※自閉症で癲癇を併発する子も多いため)癲癇波は出ていませんでした。結果、チック症と言われました。



注意すればするほど悪化し「二次的な問題」も

このように自閉症スペクトラムの子がチックを併発すことは多くあるようです。


「自閉症児は生活しているだけでストレスにさらされやすいので、できるだけストレスを軽減するように」

と医師から言われました。症状は3年ほど続きましたが自然消滅しました。

本人がやりたくてそういう身体動作をしているわけでもなく、わざと汚い言葉や騒ごうとして場にそぐわないおかしな言葉や声を出しているわけではありません。

自分の努力や気合でなんとかなるものではなく、周りが注意すればするほど却って悪化させてしまいます。更に対人恐怖症になったり、人と関わることを避けるようになったり二次的な問題も起こってしまいます。





本人の悪い癖や性格の問題、家庭のしつけがきちんとしていないと誤解を受けているまだまだ知られていない疾患です。

不安なときは一人で悶々と抱えて悩むよりも、小児専門の精神科医を訪ねて今後の手立てや対応のアドバイスを受けてみてはどうでしょうか。


引用元:
目をパチパチ、咳をする…「チックかもしれない症状」って?(It Mama)