現在常勤の産婦人科医が2人の県立今治病院(今治市石井町4丁目)に1月から愛媛大が医師1人を派遣することが15日、愛媛新聞の取材で分かった。同大医学部の杉山隆教授(産科婦人科学)は「産婦人科医が不足する中、体制整備は全県的な課題。今後も充実を図る必要がある」と説明。県立新居浜病院(新居浜市本郷3丁目)には11月から1人を派遣しており、ともに常勤3人体制とする。

 今治市の産婦人科診療所で出産直後の2人が死亡するなど医療事故が相次ぎ、日本産婦人科医会が改善指導した問題で、県医師会や愛媛大は、背景の一つにマンパワー不足を挙げ、全国的な課題と指摘。解決策として、同診療所が妊婦健診のみを担い、分娩(ぶんべん)を県立今治病院で行うセミオープンシステムの整備を提案している。

 県公営企業管理局県立病院課によると、両病院は2011年に地域周産期母子医療センターに認定されて以降、最大4人の医師が常勤していたが、昨年度からともに2人となっていた。 杉山教授は「センターとして常勤医2人ではままならない。最低でも3人必要」として調整を進めていた。同課は「リスクあるお産に対応するセンターの機能確保は重要課題。1人でも医師が増えるのはありがたい」とする。

 杉山教授は「人材確保は難しいが、応援の医師を交代で派遣するなどし病院機能の維持に努めていく」としている。


引用元:
県立今治病院に愛媛大が産科医派遣、1月から(愛媛新聞‎)