ウエストバージニア州ハンティントン(CNN) 生まれた時からヘロインなどの薬物依存症に苦しむ乳児の泣き叫ぶ声が、静かな施設内に響き渡る。乳児たちは震え、嘔吐(おうと)、下痢などの症状にも見舞われる。

「出生後は薬物が切れるので離脱症状が出る。我々はそうした離脱症状を経過する乳児に対応している」。ウエストバージニア州ハンティントンにある新生児治療施設長のショーン・ルーディン医師はそう説明する。

ハンティントンでは今年9月にかけてヘロインの過剰摂取が蔓延(まんえん)して大きな問題になった。その後遺症として、依存症の女性から生まれた子どもの間で新生児薬物離脱症候群の症例が激増している。

12日の小児科学会誌に掲載された調査結果によれば、新生児薬物離脱症候群の症例数は全米でこの10年の間にほぼ5倍に増えた。特に地方の郡では事態が深刻化。病院で生まれた新生児のうち同症候群と診断された乳児の割合は、地方部で1000人中1.2人から7.5人へ、都市部では1.4人から4.8人へと急増している。

この調査を主導したミシガン大学小児病院の小児科医ニコール・ビラピアノ医師は、「特に地方と都市部の間の差が広がっていることが懸念される」と話す。

10年前は、地方と都市部の間で新生児薬物離脱症候群の症例数にほとんど差はなかったという。しかし今回の調査では、2013年までの10年で地方では症例数がほぼ7倍に増えたことが分かった。

離脱症候群の乳児は寝つきが悪く、すぐにむずかったり機嫌が悪くなったりする。さらに深刻な場合は発作を起こしたり発達が遅れたりすることもある。

最新の全米統計によれば、薬物離脱症候群の乳児の割合は地方部で1000人当たり7.5人。しかしハンティントンのルーディン医師の施設では、その割合のほぼ13倍に当たる約10人中1人が、ヘロインなどの薬物依存症を持って生まれてくるという。

「多くの米国人が失望や絶望や経済的苦難に直面しているのに、それに対抗するための適切な手段がほとんどない」とルーディン医師は述べ、「依存症の問題への対応支援に力を入れる必要がある。依存症の大人を助けられれば、薬物にさらされて生まれる乳児の数を減らすことができる」と指摘している。



引用元:
生まれながらの薬物依存、乳児の症例10年で5倍に 米(CNN Japan)