乳児への虐待などを防止しようと、精神面のフォローが必要な妊婦を早期発見・支援につなげる取り組みが県内で始まっている。産科の段階で質問票を用いて“うつ状態”にないかなど、心の健康状態を確認。必要に応じて行政や精神科医と連携しようというものだ。全国に先駆けた取り組みで6月から実施。2年かけてフォローアップ体制の構築を目指す。全ての子どもが健康で幸せな人生のスタートを切れるよう、地域の関係機関が一体となり対応する。
妊娠期からの支援は、県が設置した「県周産期医療協議会」が周産期メンタルヘルスケア体制の整備事業として取り組み、「大分トライアル」と名付けた。
産科の初診時に「過去1カ月間に気分が落ち込んだり、絶望的になったことがあったか」「過去1カ月間ほとんど毎日、緊張感や不安感を感じることがあったか」など8項目で調査を実施。「相談できる人がいるか」「精神科への受診の有無」なども盛り込まれている。産科医は、強い抑うつ状態や不安障害などに陥っていないかを意識して診察する。受診が必要な場合は、紹介状を発行し精神科につなげる。
質問項目は、2017年に改定される日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会診療ガイドラインに盛り込まれることが検討中の「妊娠中の精神障害のリスク評価」の内容を基にした。全国に先駆け、県内の産科で実施を呼び掛けている。
県内では01年から行政、産科、小児科など関係機関が連携し、母親を支える取り組みを展開してきた。また、産後うつの対策として、行政による家庭訪問などをしてきたが、心の健康の支援を、今回から妊娠初期にまで拡充させる。
今後は、うつ状態などにある妊婦が精神科を円滑に受診できる体制の整備や、行政の担当者と連携した対応も強化する。必要時にはケース会議で協議していく。県産婦人科医会の岩永成晃常任理事は「これまでも関係機関で母子を支える活動に取り組んできた。より発展させ、全国のモデルとなりたい」と話している。
引用元:
妊婦の心早期ケア 虐待予防へ県内で取り組み (大分合同新聞)