愛媛大大学院医学系研究科の三宅吉博教授と田中景子助教と琉球大(沖縄)などの研究チームが、九州・沖縄の母子を対象に、食事や生活習慣と健康状態の関連を調べる研究を続けている。大豆製品の摂取が妊婦のうつ症状を予防したり、母親の喫煙が子のアトピー性皮膚炎に影響を及ぼしたりする可能性が明らかになっており三宅教授らは「継続的な調査で有意性のある結果を見つけたい」と話している。

 妊婦のうつ症状と栄養摂取状況との関連を調べた三宅教授の調査では、豆腐や納豆、みそ汁などの大豆製品と、それらに多く含まれるイソフラボンの摂取量が多いほど、うつ症状有症率が低いことが分かった。

 データがある1745人の中でうつ症状があった19・3%の大豆製品とイソフラボンの摂取量を4段階で分析した結果、一番少ないグループに対し、多いグループはともに有症率が37%低かったという。

 三宅教授は「女性ホルモンであるエストロゲン作用を有するイソフラボンと、卵巣ホルモンが大きく変動する妊娠前後のうつの関連を調べた研究は初めてで、興味深い」とする。

 田中助教は、妊娠中の母親の喫煙と生まれた子のアトピー性皮膚炎(2歳時)の関連性を分析。子どもの喫煙暴露が「全くない」「妊娠中のみ有り」「出生後の受動喫煙のみ有り」「両方有り」に分けると、「妊娠中のみ有り」でリスクが高いことが示されたという。アトピー性皮膚炎の医師診断を受けていたのは1345人のうち62人で、リスクは「全くない」の4・9%に対し、14・3%と有意に高い結果だった。

 田中助教は「母親の喫煙は出生後も続けることが多くこれまで詳細な解析が困難だった。さらなるエビデンス(科学的な根拠)の蓄積が必要だが、注目できる結果」と説明する。

 調査は2007年から母子1757組を対象に実施。妊娠中、出産時、生後3〜4カ月と1歳ごとに、親子が摂取した食品や喫煙状況、アレルギーの有無などの情報を収集し、関連性を調べている。食材などを細かに分類したデータが蓄積され「産後うつやアレルギーなど関心の高い健康リスクも含め、さらに解析を進めたい」としている。


引用元:
大豆食が妊婦を健康に 愛媛大大学院三宅教授ら研究(愛媛新聞)