AI元年といわれた2016年。便利で役に立つだけではない「人工知能」が今後、私たちの生活や医療にどう影響していくのでしょうか?
AIが活躍した映画「WALL・E(ウォーリー)」を元に、考えられる近未来の健康リスクや、医療現場でのAIの活躍の可能性など、具体的に医師にまとめていただいきました。
AIとは
Artificial Intelligenceの略で所謂、人工知能のことです。 コンピューターに多量の情報を処理させ、人間の脳またはそれ以上の機能を持たせようとするものです。
医療現場でのAI事例
医療現場で多用されるレベルではなく、研究段階であることがほとんどだと思います。 報道等によると以下のようなものがあります。
診断
東京大学医科学研究所によるもので、診断が難しい白血病の一種をAIが10 分で診断が可能。
医療者の代わりになる
ユーザーからの問い合わせをAIが処理し対応するメディカルコールセンターの提供。
今後医療現場でAIに期待されること
画像診断
現在、X線やCTなどを撮影し画像から病変を見つける作業は人為的にやっていますが、これらがAIにとって代わられることも考えられます。
検査データの解釈
現在、検査データは医師が確認し、診断に役立てていますが、これらをAIが行っていく可能性があります。
映画「WALL・E(ウォーリー)」から考察する健康リスク
重力のない場所による身体への影響
重力がある状態ですと、人間は視覚以外にも筋肉などにかかる力から自分の位置情報を感知しています。
しかし無重力の状態にさらされると、脳が体の位置情報を正確にとらえることができず、混乱を起こし頭痛や倦怠感などに繋がります。
また重力のない場所に居続けると、筋肉や関節に力がかからなくなるので衰えていってしまいます。
モニターのみでの対人コミュニケーション
直接の接触をしないことで、相手の気持ちを考えたり場の空気感を読む機会が減るので、コミュニケーション能力の獲得ができなくなる可能性があります。
シェイクのような液体で食事を摂る
噛むことを必要としなくなるので、咀嚼筋が発達しなくなります。噛まなければ唾液なども出なくなるので、口腔の乾燥を招き虫歯や歯周病になりやすくなったりします。
また、噛むという刺激が脳に伝わらなくなるので満腹感を得るのに時間がかかり、肥満などにもつながる恐れがあります。
24時間AIロボットに世話をしてもらう
嫌なことをしなくて済むようになるため、精神的には我慢力や忍耐力がつきにくくなると思います。
肉体的にも体を動かす必要性が減少するので足腰をはじめ、全身の筋力や骨、関節などが弱ります。
移動は自動操縦のロボット
肉体を動かさなくなるので体の衰えが進みやすく、運動不足によって、動脈硬化、糖尿病、メタボリックシンドロームなど生活習慣病を起こしやすくしてしまう可能性があります。
更に、自分で行先を考えずに常にロボットに誘導されるようであれば、地図を読み取ったり、考えたりする機会が奪われるので脳の高次機能の低下につながる危険性も考えられます。
衣服は自動的に変わり、みんなと同じもの
衣服は自分を表現する機会でもあるので、そういった機会がなくなるとストレスに感じることが増えることも懸念されます。
AIによる医療におけるメリット・デメリット
メリット
将来的に診断などに応用されるようになれば、診断にかかる時間が短縮されることになります。
診断結果をAIと人間の双方で確認しあうことになると予想され、誤診などの防止に繋がるのではないでしょうか。
デメリット
AIが人間の仕事を奪ってしまうので雇用などの面で問題が発生します。
医療は人命にかかわる責任の重い分野なので、AIが誤作動を起こした時の責任の所在がどこにあると考えるべきのかなど難しい問題が沢山あると考えられます。
最後に医師から一言
色々な分野でAIが研究され始めています。医療分野に限らず、AIのすべてがメリットというわけではないので、いい部分をうまく使ってよりよい発展に繋がっていけばよいですね。
(監修:Doctors Me 医師)
引用元:
《医師が考察》AI(人工知能)により脅かされる健康リスクとは?(livedoornews)