子育てをしながら仕事している場合、子育ても仕事もどちらも「中途半端」だと評価されることがある。しかし、それも子どもが小さいうちに限られる話のようだ。むしろワーキングマザーはスゴイ! そんな研究結果が明らかになった。



□ワーキングマザーが抱える子育てと仕事のストレス

 小さな子どもを抱えながら仕事をすることは、子育てと仕事の両方、実現できるという喜びももちろんあるが、同時に大きなストレスも生まれる。子どもの保育園の送り迎えなど毎日時間的な拘束があることはもちろん、子どもの突然の発熱や病気、入院などの突発的なことにも、仕事をしながら、日々、対処しなくてはならない。




 筆者の周りでも、「仕事が休めない日だったから、解熱剤を使える限界まで使って、無理やり保育園に行かせた」「仕方なく1人で家で待たせた」といった子どもの体調不良にまつわる話や、「仕事で大きなステップになる海外出張のときに、子どもの最後の学芸会と重なって悩んだ」といった、子どもと仕事をてんびんに掛けなければならない悩ましい話も聞く。 □ワーキングマザーの生産性のロスは大きいのか?


 このように、子どもがいると仕事を休まなくてはならなかったり、仕事のチャンスが奪われたりといった事態が発生する。休んだことで仕事に影響が出るのは言うまでもない。




 アメリカのセントルイス連邦準備銀行は世界中のエコノミスト1万人を対象に、子どもがいるかいないかによる仕事の生産性を検証した。…

仕事の生産性は研究論文の発表数で測った。その結果、男性に関しては、子どもがいるいないにかかわらず、生産性にそれほど大きな違いはなかった。しかし、女性は子どもが小さいうちは、子どもがいない人に比べて、生産性が15〜17%落ちることが分かった(※1)。 □子どもが多いほど生産性が高くなる

 やはり、ワーキングマザーのキャリアアップには大きな壁が立ちはだかっているのかと思いきや、実際はそうではなかった。子どもの成長に伴い、その数字は変化していくことが分かった。
 この調査では、「子どもがいない」、「1人いる」、「2人いる」、「3人いる」などと複数の段階に分けて女性の生産性が測られた。子どもが小さいうちは生産性が低いものの、子どもがティーンエージャーになる頃までに、それまでにロスしたものを挽回するほど生産性を上げて巻き返してくるので、総合的にみると、子どもいる人の方がいない人に比べて生産性が高くなることが分かった。また、意外なことに、子どもの数が多いほど、より生産性が高くなることも分かった(※1,2)。 □ワーキングマザーの仕事は効率が良い


 研究チームは、子どもがいる人は子どもがいない人に比べて仕事に使える時間が少ない、ワーキングマザーは時間の使い方がうまいと指摘している(※2)。
 子どもが小さい頃に時間がない中で、効率的に仕事をすることができるようになっていると、子どもが手を離れる年齢になったとき、子どもがいない人と同じ時間内で、よりたくさんの仕事ができるようになっているというわけだ。子どもがティーンエージャーになるまでには長い道のりであることは間違いない。しかし、子どもが小さいときに味わうさまざまなストレスに耐えたワーキングマザーだけが勝ち取れる結果なのだろうと思う。



引用元:
ワーキングマザーは生産性が高い!調査結果から明らかになったこと(エキサイトニュース)