静岡大農学部の与語圭一郎准教授(48)らのグループがマウスによる研究で、精子が形成される際に特異的に発現する遺伝子「Slc22a14」が雄性不妊に関わることを特定した。このほど英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載された。同遺伝子は人間を含めた多くの哺乳類に存在するため、男性不妊の原因解明につながることが期待されるという。

 与語准教授らは、生物の遺伝子を操作できるゲノム編集技術により、同遺伝子を持たないマウスを誕生させ、同遺伝子の生殖への働きを調べた。このマウスには正常なマウスと同じ数の精子が作られたが、精子のべん毛が屈曲するなどし、運動能力が著しく低下した。受精するために必要な機能変化にも異常が見られ、相乗的に受精能力が低くなることが分かった。

 実験では、正常な雄4匹と雌8匹を交配すると、全ての雌が妊娠し平均8・5匹を出産した一方、同遺伝子がない雄5匹と雌10匹を交配した場合には、雌1匹が1匹のみ出産した。

 東京大や千葉大の研究者らとの共同研究。与語准教授は「『Slc22a14』の働きを阻害する薬の開発などで、野生動物の繁殖制御や男性避妊にも応用できる可能性がある」と話した。

引用元:
受精促す遺伝子、雄マウスで特定 静大准教授らグループ発表( 静岡新聞)