精子の遺伝子異常のため通常は受精しても流産してしまう受精卵に対し、卵子側の遺伝子の働きを変化させることで子どもを誕生させることに、国立成育医療研究センターの研究チームがマウスの実験で成功した。難病の仕組み解明や新たな不妊治療方法の開発につながる可能性がある
哺乳類のメスの場合、受精卵には精子と卵子それぞれからのX染色体が含まれる。受精卵から正常に育つためには、精子のX染色体だけが働かなくなる必要がある。精子側の働きの抑制は「イグジスト」と呼ばれる遺伝子が担っており、ここに異常があると着床しても母親の胎内で育たず流産するとされる。
同センターの阿久津英憲部長らは、精子のイグジストに異常を起こしたマウスの受精卵235個に特殊な酵素を注射した。すると化学変化が起き、通常は機能しない卵子側のイグジストを働かせ、受精卵を成長させることに成功した。メスの子8匹が生まれ、うち2匹を成長させることができた。研究チームによると、卵子側の働きを誘導して精子側の異常を救えることを示したのは世界初という。
阿久津部長は「受精卵にゲノム編集などの遺伝子改変をしなくても救える可能性を示せた点は大きい。不育症や早発卵巣不全の仕組みの解明などにつなげたい」と話している
引用元:
卵子働き変え救済 成育医療研、マウスで成功(毎日新聞)