夢の細胞といわれるiPS細胞が、不妊治療の切り札になるかもしれない。
□京大などがマウスで成功「不妊の原因究明に」
九州大や京都大などのチームが、マウスのiPS細胞から体外培養で卵子を大量に作ることに成功したのだ。この研究成果は英科学誌ネイチャーに掲載された(※1)。さまざまな細胞や組織に変化する能力を持つことから組織や臓器を修復する再生医療など多くの医療分野への応用が期待されるiPS細胞が、生命の誕生にも関与できる可能性が高まったことになる。 □数年以内にヒトへの応用も? 課題は倫理面
この研究が進めば、ヒトの卵子を作ることが数年以内に実現する可能性もあるという。研究チームは「不妊女性のiPS細胞を使って卵子の形成を再現すれば、不妊の原因究明につながる可能性がある」としている。この手法で卵子を体外で作ることができれば、絶滅危惧種の保護にも利用できるかもしれない」としている。といっても手放しで喜ぶのはまだ早い。ヒトの卵子を人為的に作ることは将来、子の誕生につながる可能性があり、倫理的な面での課題も浮上しそうだからだ。 □マウスのiPS細胞から約1300個の受精卵を作製
研究成果をかいつまんで紹介すると、次のようになる。文系の方にはちょっと難解かもしれないが、しばらくお付き合い願いたい。チームは、生後10週目のマウスの尻尾から作ったiPS細胞で、卵子や精子のもととなる「始原生殖細胞」を作製
それを体内で卵子ができる約5週間の過程を3段階に分けて培養して約4千個の卵子を作った。この卵子に通常の精子を使って約1300個の受精卵を作製した。 □iPS細胞からの受精卵で8匹の健康なマウスが誕生
この卵子に通常の精子を使って体外受精させると8匹が生まれた。子どもや孫を得ることもできた(※2)。通常の体外受精では、約6割の割合で子どもが生まれるといい、それに比べるとかなり低かったが、8匹はいずれも健康で、別のマウスとの間に孫も生まれた。従来は作製過程で受精卵をマウスの卵巣に移植する必要があり、ヒトへの応用につなげるのは難しいとされてきた。研究チームによると、通常の卵子を使う体外受精の成功率は60〜70%で、培養条件を改良するなどして卵子の質を高めることが課題という。 □不妊の原因究明や絶滅危惧種の保護にも?
チームの林克彦・九州大教授は「不妊女性のiPS細胞を使って卵子の形成を再現すれば、不妊の原因究明につながる。体外で大量の卵子を作ることができれば、絶滅危惧種の保護にも利用でようなきるかもしれない」と話している(※1)。
楽しみなようでもあり、ちょっぴり怖いような気もしてきそうだ。
引用元:
“iPS卵子”で体外受精ベビー iPS細胞からの受精卵で健康なマウスが誕生 (エキサイトニュース)