清涼飲料水は、コンビニで簡単に手に入るので、お出かけのときには気軽に利用する人も多いのではないでしょうか。でも気になるのはその糖分。妊婦さんは、清涼飲料水を避けたほうがいいのでしょうか。今回はEn女医会の産婦人科専門医・間瀬有里先生にお聞きしました。

清涼飲料水はNG

ーーズバリ、妊婦さんは清涼飲料水を避けたほうがいいのでしょうか


避けたほうがいいです。ここで言う清涼飲料水は、「アルコールの入っていない、甘い飲料や果汁飲料、もしくは甘い炭酸飲料」ということになるかと思いますが、妊娠中は避けるべきです。

ーーその理由は?


問題は含有している糖分です。

妊娠中は、糖の影響を受けやすく、糖尿病にもなりやすいと言われているからです。しかも清涼飲料水は、たいていどれも冷えています。冷えた飲み物はあまり甘さを感じられないため、かなり多くの砂糖が入っていると考えられます。

ーー人工甘味料が入っている飲料はどうでしょうか


たしかに、砂糖よりも少量で甘味を強く感じることができるので、糖分の心配は少なくなるとは思います。が、天然成分ではないことが多い上、人工甘味料を使うためにさまざまな添加物がプラスされていることもあります。あまりおすすめはできません。

どんな飲み物なら大丈夫?

ーー暑い夏に、スッキリとしたものが飲みたい場合はどうしたら良いでしょうか


つわりが夏にあたった場合は、シュワッとした飲み物がほしくなることが特にあるでしょう。その際は、炭酸水を上手に使うといいと思います。レモンやライムなどのすっきりした味や香りの果汁を炭酸水で割ったり、ミントを浮かべたりして飲んでみてはいかがでしょうか。

果糖に注意!

ーー他にも、妊娠中飲まないほうが良い飲料はありますか?


あります。ご存じのようにカフェインは、胎児への悪影響ははっきり分かっていませんが、避けた方がいいと言われていますね。でも、コーヒーや紅茶が大好きな方が、妊娠したからといって突然やめるのはストレスかと思います。1日に1、2杯は問題ないと思いますよ。

アルコールももちろん避けた方がいい飲料です。肝機能が落ちがちな妊婦には負担になりますし、アルコールによる脱水状態は非常に危険です。

ーー果物のジュースなどはよいのでしょうか


これは量によりますね。天然果汁ですから、体にいい種類の質のいい糖ではありますが、果糖は糖にほかなりません。とりすぎると、やはり糖尿病が気になりますし、肥満の心配もあります。妊娠中の肥満はさまざまな不具合を誘発するので、避けたいところです。果汁は、炭酸水で割るなどして薄めて飲んだほうがいいでしょう。

ーーありがとうございました!


■プロフィール
間瀬有里
2003年 日本医科大学卒業。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加するEn女医会に所属している(En女医会とは、会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用し、医療分野での啓発活動を積極的に行っている団体)。
産婦人科専門医、指導医。医学博士。大学病院助教を経て、現在、東京ミッドタウンクリニック勤務。長年の大学病院勤務経験を生かし、現在は健診業務から一般外来診療まで幅広く対応している。二児の母としても、日々奮闘中。


引用元:
糖分の多い清涼飲料水、妊娠中は避けた方がいいの? 産婦人科医に聞いてみた(マイナビニュース)