ママを悩ませる問題のひとつが、子どもの遅寝です。

男の子ママの悩みをまとめて解決! 気になる“オチンチン”問題から、やる気にさせるコツまで 【男の子まとめ】

日本の3歳以下の子どものおよそ20%が夜10時以降に眠りにつくというデータも。

子どもの睡眠不足は成長や発達に影響を及ぼす可能性もあり、看過できない問題です。

15万部突破の『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』(以下『安眠ガイド』)の著者で、赤ちゃんの眠りの問題に取り組んできた「赤ちゃんの眠り研究所」代表理事の清水悦子先生に、乳幼児の生活リズムを整えるコツを伺いました。

発達障害と混同されやすい「子どもの睡眠の問題」

――夜10時以降に寝ている子がけっこういるんですね。

清水先生(以下、清水):そうですね。ただ、乳幼児の就寝時間は2000年をピークにだいぶ早くなっていると感じます。意識してお子さんを早く寝かせているお母さんが格段に増えましたね。

5〜6年前は、夜遅くまで子どもが起きたままにしておくお母さんが結構いらしたんですが、今は「夜8〜9時くらいに寝室に連れていく」という方が増えている印象です。

その代わり、「早寝を心がけているけれど、うまくいかない」という方が多いようです。

――子どもの睡眠の問題は、発達の問題とも関連があるのでしょうか?

清水:子どもの睡眠の問題は、発達障害と混同されやすいといわれています。

保育園では、夜間睡眠が短い赤ちゃんは機嫌が悪かったり、幼児期もお友達を叩いたり暴力的になりやすい、落ち着きや集中力がない、といった問題がみられます。

実際、睡眠リズムを整えたことで多動傾向が治まったり、言葉の発達が追いついたり、という例もあります。

お子さんの発達に心配があるようであれば、まずは睡眠不足になっていないか、生活リズムを確認した方がいいかもしれません。

早寝の最大の敵はイクメンパパ!?

――ここからは、「早寝を心がけているけれどできない」という人がどういう問題を抱えているのか、その解決法を教えていただきたいと思います。一番多い問題は何でしょうか?

清水:まずは、旦那さんの帰宅時間とお風呂の問題ですね。お父さんが子どもを自分でお風呂に入れたい、でも早く帰れるわけではない、というケースです。

お風呂に入れるのが夜8〜9時だと、寝る時間はどうしても夜10時過ぎになってしまいますよね。

――パパのお風呂問題で内心困っている方は多いですか?

清水:多いですね(笑)。お父さんがお風呂を担当すると、お母さんが一人でゆっくり入れるなど利点もたくさんあるのですけれど。

体温にも一日のリズムがあって、体の中の深部体温が下がると眠気を感じます。お風呂に入る時間が遅くなると、その体のリズムが崩れてしまうんです。

だいたい夜7時頃には入れて、30分〜1時間くらいかけて体温が下がり眠くなる、というのが理想です。

週に1回か2回、早く帰ってこられる“パパがお風呂に入れる日”を作って、夜6〜7時にお風呂に入れてあげるのはすごくいいことだと思います。

――お父さんにも、子どもの遅寝の問題について知ってもらう必要がありますね。

清水:そうなんです。お風呂だけでなく、夜お父さんが帰ってくると遊んでくれると思って目が覚めてしまう、という悩みも聞きます。

とくに注意欠陥・多動性障害(ADHD)のあるお子さんは、にぎやかな音がしたりお父さんが起きていると気になって眠れないことも多いです。睡眠って、すごく集中力のいる活動なんです。

夜は、子どもが期待しないように“静かなお父さん”に徹してもらうのがいいと思います。反対に、子どもの目を覚ますのにはお父さんとの遊びは非常にいいので、ぜひ朝遊んであげてほしいですね。

見過ごせない、眠気と光の問題

――テレビとの付き合い方はどう考えたらいいでしょうか。

清水:講座では「テレビは寝る30分〜1時間前には消しましょう」と言っています。

よく言われるのが、スマホやパソコンも含め、画面のブルーライトの影響ですね。ブルーライトの光が、眠気を起こすメラトニンというホルモンの分泌を阻害すると言われています。

眠気を起こさないようにしてしまうことが寝つきにかかわってくるんですね。

――ホルモンはすごく体に影響するんですね。

清水:そうですね。とくにメラトニンは睡眠をコントロールするホルモンなので、寝つきの悪いお子さんの場合、とくに光環境を気をつけてあげたいですね。

白色蛍光灯の下で夕方3時間くらい過ごしていると眠気が起こりにくくなる、という話もあります。

乳児期の赤ちゃんはとくに、上を向いて寝ていて天井のあかりを直視する形になりがちです。真上の照明は消してあげた方が寝つきはよくなりますね。

幼児期でも寝つきが悪い場合は、リビングダイニングがつながってるのであればリビングのあかりは消してダイニングの明かりだけで過ごしたり、特に夕方は白色蛍光灯ではなくオレンジ系の少し薄暗いあかりで過ごす、といった工夫をしたいですね。

眠くなるのを待つはNG

――「寝ようね」と暗い部屋に連れて行っても本人に眠気がなくて部屋の中を歩き回って遊んでしまう、という場合はどうすればいいでしょうか?

清水:今の日本の生活習慣の中ではなかなか眠気は起こりにくいので、とくに幼児期は自分から眠くなったから布団に入るということはないと思った方がいいでしょう。

昔はよく「夜×時以降は大人の時間だから布団に入りなさい」と言ったものです。現代はそういう習慣を持っている人が少ないのかもしれないですね。

就寝時間が遅くなり、夜の睡眠時間が短くなると、どこかで睡眠を補おうとする行動が出てきます。お昼寝が長くなったりお休みの日に長く寝たりというのが、睡眠時間が足りていないサインです。

子どもが小さいうちにしっかりと睡眠習慣を作ってあげることは、親の大事な役割ではないかなと思います。

――子どもが自分から、眠くなったら寝てくれるかなと考えてはいけないですね。

清水:そうですね、昔は太陽に合わせて寝たり起きたりしていたので、電気ができた弊害と言えるのかもしれません。

わたしたちが今、一番問題と考えているのは、睡眠の大切さを自覚していない親御さんですね。

自治体や保健センターでは、睡眠が子どもの成長や発達にどれだけ影響を与えているかに気づいていない親御さんの存在が問題になっていて、そういう人たちにどう気づいてもらうかが一番の課題です。

私たちの講座に来てくださる方は、皆さん睡眠の影響についてしっかり考えてくださるんですが、それでもちょっと強めに、生活リズムが乱れると発達に影響しますとか、女の子だと初潮年齢がすごく早くなることがありますという話をしたりしますね。

――初潮年齢……。実際、そうなんですか?

清水:就寝時間が遅いだけではなく、生活リズム全体が乱れている場合、ということですが。体の内面に影響が及んでいるということの一例と言えるでしょう。

小学校2年生とか3年生で生理が始まるお子さんがいるのは、生活リズムの乱れと食生活の乱れとの関連が言われています。心配になりますよね。

夜の睡眠は10時間以上を目安に

――どのくらい睡眠時間があると安心なのでしょうか。

清水:子どもの場合、だいたい夜は10時間継続して眠れるような睡眠スケジュールを立ててあげると、発達に影響するような心配はなくなると考えています。

意外に思われるかもしれませんが、子どもの夜間の標準的な睡眠時間は生後3カ月から小学校低学年ぐらいまではほとんど同じで、だいたい9時間から11時間くらいなんです。赤ちゃんや幼児の場合は、これにお昼寝がプラスされるということです。

とくに子どもは光に敏感なので、朝日で起きやすいんです。朝6時に明るくなることから逆算すると、前の日の夜8時くらいには寝室に入っていたいですね。

――保育園に行っている場合も夜8時にはベッドへ行くべきでしょうか。

清水:保育園はお昼寝時間を長くとってあったり、お友達が寝ていると自分も寝る雰囲気になる、ということもあり、保育園に通っていない子よりお昼寝が長くなることが多いですね。その分、夜間睡眠が短くなる傾向はあります。

ただ、親が働いているということを考えに入れても、夜9時くらいにお布団に入っているように気をつけてあげられると睡眠不足の心配がなくなると思います。


わが子の睡眠の問題は、発達や成長だけでなく、となりで眠るママ自身の睡眠にも直結する問題です。

ご自身の娘さんの壮絶な夜泣きをきっかけに、子どもの睡眠の問題に取り組み始めたという清水先生。小学生になった娘さんは毎晩8時半にベッドに入り、朝6時前に起床して宿題をこなす早寝早起きぶり。

清水先生は「本当に、楽ですよ。習慣がつくと朝一人で起きてくれるので、たたき起こすこともありません」と笑顔で語ってくれました。

『安眠ガイド』の中で清水先生が提唱する、赤ちゃんを心地よくする簡単3ステップは以下の通り。

[ステップ1]朝は7時までに起こそう!

[ステップ2]お昼寝の時間を調整して、日中は活動的にすごそう!

[ステップ3]寝る前30分のイチャイチャタイムを作ろう!

この3つのステップに加え、意識して早い時間に寝室に入ることは、赤ちゃんだけでなく生活リズムが崩れ始めた2〜3歳のお子さんにも役立ちます。

「うちの子は毎晩夜更かしで……」という方、今こそチャンスかもしれません。

シンプルな早寝早起きの基本に立ち返り、わが子もママも楽になる睡眠習慣を手に入れたいものです。


引用元:
お風呂は何時までに入るべき? 0〜3歳児の“早寝のコツと注意点”を専門家に聞いた ウレぴあ総研