◇県内初、板野東部ファミサポ新事業

 藍住町など板野郡5町の子どもを一時的に預かる業務を行う「板野東部ファミリー・サポート・センター(板野東部ファミサポ)」が、今月から、病気になった子どもや、治ったばかりの子どもを預かる新たな事業を始めた。県内に13か所あるファミサポの中では初の取り組み。関係者は「これから冬場にかけて、子どもの風邪が流行する。共働きの家庭が安心できる環境を作りたい」と話している。(行田航)
 ファミサポは、国の補助事業として全国で1994年度に始まった。市町村が設置し、自治体やNPO法人などが運営する仕組みで、あらかじめ研修を受けた人が自宅などで、有料で子どもを預かる。病気になった子どもを預かる施設もあるが、県内ではこれまでなかった。

 県内では子どもを預ける会員が5648人いる(8月末現在)が、共働きの家庭を中心に風邪などにかかった子どもを預かってほしいという声が、県などに多く寄せられていた。そこで子育て世代が多く住む地域にある板野東部ファミサポが取り組みを始めた。

 同ファミサポは、板野郡5町が委託した福祉団体が運営する。新たな業務では、体調を崩した子どもを小児科医などから研修を受けた人が、医療機関に連れて行く。医師が許可した場合には、一時的に自宅で預かったり、同ファミサポの事務所内に設けたスペースで看病したりする。1歳未満やインフルエンザなど症状が重い感染症と診断された場合などは預からない。

 現在就職活動中で、5歳の長男を預ける登録をした松茂町の主婦(36)は「子どもが急病になってもすぐに職場を離れられるかわからない。実家も自宅から遠いため不安があったが、この制度があることで、安心して仕事ができると思った」と話す。

 厚生労働省によると、ファミサポの事業は、2014年度で全国769の自治体で行われているが、容体が悪化した時の対応の難しさや、「万一の責任が取れない」といったサポート側の不安の声が多く、病児の預かり業務を行う自治体は135にとどまっている。

 板野東部ファミサポの港みなと満海まみ所長は「病気の子どもを預かるモデルケースとして定着させ、県内全域で同じサービスが提供できるよう働きかけたい」と話している。

 1歳児〜小学生が対象。希望者は通常の登録とは別の登録が必要。料金は平日午前7時〜午後9時が1時間800円、それ以外の時間帯は同900円。問い合わせは同ファミサポ(088・693・3033)へ。


引用元:
病児預かり 共働き安心  徳島 (読売新聞)