“産後クライシス”という言葉を聞いたことがある人はいるかもしれませんが、それが具体的にどういうことなのか認識していない人もまだまだいます。
“産後クライシス”の正確な定義はありませんが、一般的には、“出産後2年以内に急速に夫婦の愛情が冷める現象”のことだと言われています。
もしかしたら、「産後クライシスかも!?」と思い当たるママもいるかもしれません。
しかし、起こる原因としっかり向き合えば、この危機を乗り越えることはできます。
今回は、夫婦問題カウンセラー高草木陽光が、“産後クライシスの原因と乗り越え方”をお伝えします。
高草木陽光
■産後クライシスが起こる原因は?
(1)ホルモンバランスの変化
女性の身体は、出産することによって、ホルモンバランスが大きく変化します。
たとえば、妊娠中に分泌される“エストロゲン”は、出産するまで増加し続けますが、産後は急激に分泌量が低下します。
そのため、“不安や孤独”を感じやすくなったり、エストロゲンは育毛にも関係するホルモンでもあるため、“抜け毛”が増えたりするのです。
また、子どもと触れ合うことで分泌される“オキシトシン”は、母乳をつくりだすことにも関係しているホルモンですが、授乳している時期は“攻撃性”も高まると言われています。
母性が強まるため、他者から子どもを守ろうとする本能が働き、それが夫への攻撃として現れることで、産後クライシスへと繋がってしまうことがあります。
(2)“産後の女性の身体の変化”についての認識不足
「産後の女性の身体には、どんな変化が起きているのか」ということを、具体的に認識している男性はもちろん、実は女性も理解していない人が多いと感じます。
そのため、産後のストレスを夫にそのまま感情的にぶつけてしまい、ケンカが増えてしまう結果になります。
産後の女性の身体の変化を、“夫婦ともに”理解することで、イライラや負の感情を冷静に客観視することができるようになります。
(3)夫への“過度な期待”
まず、大事なのは“夫婦の対話”です。
「子どもが生まれたのだから、夫は全面的にサポートしてくれるはず」と“思っているだけ”では、夫は貴女の期待に応えてはくれないでしょう。
サポートしてほしいことを話し合ってもいないし、伝えてもいないのに、勝手に夫に期待してしまうと、その期待が裏切られたときに怒りの感情が湧いてくるのです。
■産後クライシスから抜け出す方法
まずは、産後クライシスという現象について、“夫と一緒に理解を深める”ことが第一歩です。
夫へのイライラや攻撃性は、貴女が悪いわけでもなく、“性格が変わった”ということでもなく、“ホルモンバランスの変化が影響している可能性がある”ということを知ることが大切です。
そして次に、そのことに甘えるのではなく、お互いに“意識して言動を変える”ことを実行してください。
たとえば、何かしてほしいことがあるときに言ってしまいがちな言い方として、「ちょっと、少しは手伝ってよ」というのがあります。
夫からみたら、キツく感じますよね。
その場合は、「○○してくれたら助かるんだけど、お願いしていい?」「○○してくれたら嬉しいな」と言い換えてみるだけで、受け取る側の印象も違ってきます。
もうひとつ、慌ただしい毎日で、つい忘れてしまうのが“感謝”の気持ちです。
夫婦であっても、“当たり前はない”ということを思えば、もっと相手に対して優しい気持ちになれるのではないでしょうか。
夫婦関係が完全に冷えきる前に、今日から取り組んでみてくださいね。
引用元:
「産後クライシス」が起こってしまったらもう遅い?夫婦仲が冷え切る前に知っておきたい対処法(It Mama)