「ガン家系だから気をつけないと……」「アレルギー体質だから……」などの文句をしばしば見聞きします。

もしわが子に体質などが受け継がれたとしたら、私達はそれを仕方がないことだと諦めなくてはならないのでしょうか。医者や病院に身を任せるしかないのでしょうか。

しかし実は家庭でもできることはたくさんあるのです。

今回は、何人ものガン患者やアレルギー疾患を改善した豊かな臨床結果を持つ“正常分子栄養学”を学び“健康指導師”としての活動もされている、自然療法研究家のさかもとひろみさんに“子どもの体質改善のために、ママができること”を教えていただきました。





■ 環境要因から体質は変えられる!

「広辞苑を引くと『からだの性質。遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される、個人の総合的な性質』という風に書かれています。遺伝的要因は変えられませんが、環境は個人の努力で変えられますね。だから体質は変えられるのです」

と、さかもとさんは語っています。



■体質は栄養療法で改善できる!



さかもとさん主催、お手当て講座の様子 photo by Sakamoto

「わたしたちの体は細胞一個一個の集まり。何兆個もの細胞がわたしたちの肉体を作っています。ひとつひとつの細胞の質がわたしたちの体の質となってくるわけです。」と、さかもとさん。

「丈夫な細胞を作るためにはすべての材料(栄養素)がきちんと揃っていることが重要です。一つでも欠けてしまうと正常な細胞、健康な細胞は作られません。なぜかというと、栄養はチームで働くのが基本だからです。」

“これを食べたらこの症状が治る”という単純な話ではなく、健康で丈夫な細胞を作るための、総合的な栄養状態を身体が保つことが、健康の秘訣ということなのですね。そしてそれは、症状を悪化させないためにも必要なことなのだそうです。
■プレママも摂取したい!5大栄養素とは?

ではその栄養素とは、具体的にはどんなものなのでしょうか?

さかもとさんにお聞きしました。

(1)タンパク質

卵、魚介類、肉、大豆をまんべんなく摂りましょう。(チーズやヨーグルトもいいですね)

大人の場合は自分の手のひらと同じくらいの分量。成長期の子どもたちは自分の手のひらの倍ほどが、一日の摂取目安量です。

(2)脂質(油)

バター、ココナツ油、魚油、低温圧搾のごま油、生産者の確かなオリーブオイルがおすすめです。

バターやココナツ油は飽和脂肪といいます。これは体内でエネルギーを生み出すのでたくさんとるとよいです。糖質よりも優れたエネルギー源として最近注目されています。

魚油やごま油は不飽和脂肪酸といいます。体内では合成できないので必須脂肪酸と言われる大切なものです。

必須脂肪酸にはオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸があります。その理想的比率は1:1です。現代はオメガ6が過剰気味なので、オメガ3を特に意識して取るとバランスが取れるでしょう。

特にオメガ3を摂る場合は、代謝効率の悪いアマニ油などよりも代謝の良い魚油がオススメです。オメガ6の油でおすすめなのは、低温圧搾のごま油です。

ココナツ油はとりすぎても脂肪にならないのでいくらとってもよいです。ただし、バターやラードは細胞の代謝や必要とするエネルギー以上に取ると脂肪として蓄えられます。



(3)ビタミン

生野菜、生の果物、レバー、肉、魚介類、豆などに豊富です。



(4)ミネラル

煮干し、レバー、昆布、ナッツ、卵、野菜に豊富です。



(5)植物栄養物質(ファイトケミカル)

特に色の濃い生野菜、生の果物に豊富。人参やカボチャは特にオススメ。



以上の5つが細胞をつくるときの栄養素つまり材料になりますので、これらをバランスよく摂って初めて健康で丈夫な細胞が出来上がります。

これらの栄養素はチームプレーで働くため、一つとしてかけないようにとることがとても大切です。かけてしまうと不完全な細胞が出来上がる原因になります。

ですので、まんべんなく食べることをおススメします。これは、細胞を作っている胎児がお腹にいるプレママも、ぜひ摂取を心がけるとよいでしょう。



■ 新しい栄養学「正常分子栄養学」とは?

「日々古い細胞が壊されて新しい細胞が作られます。そのときに正常な細胞が作られるかどうかは、栄養状態によります。1つも欠けないように栄養を摂取する事は、体質改善のためにはとても大切なポイントです」と、さかもとさん。

正常分子栄養学”とは、ロジャー・ウィリアムス博士、ライナス・ポーリング博士の考え・教えを基に、30年間唱え続けた細胞レベルの栄養学です。従来のカロリーを中心とした栄養学とは違い、栄養素がいかに体内で働き細胞を作るのかを中心に研究した生化学的栄養学です。

これまで私達の身近にあった、カロリーの多い少ないで語られる“カロリー栄養学”とは全く異なる考え方です。

「古い栄養学では“炭水化物”は栄養として扱われていましたが、新しい栄養学では“エネルギー源”として栄養素とは明確に区別されます。エネルギー源は細胞のエンジンを動かすガソリンのようなものであって細胞の質を構成する材料ではないためです」と、さかもとさん。

“私達の体は食べたもので作られている。だからまずは栄養状態を改善しましょう”という考えは、筆者にはとても分かりやすくシンプルに思えます。

さらに、これらの栄養と同じくらい大切なことを次にご紹介します。



■体質改善をしたかったら「糖質」の制限を!

さかもとさんは栄養状態を整えると同じくらい、糖質制限も重要だと説明されています。

「甘いものは、血液を酸化させるし、糖分を代謝するためにミネラルやビタミンがどんどん失われます。精製された糖分糖質はミネラル欠乏を引き起こす大きな要因になっています。

ミネラルは健全な細胞をつくるために必須の栄養素なので、それが欠乏すると健康な細胞をつくるための材料が足りなくなってしまいます。」そのため、これを過度に食べていては体質改善はむずかしくなるとのこと。

ここで言う糖質とは砂糖だけでなく、精白された米、小麦など、いわゆるGI値の高いものを含みます。

GI値とは、食品が糖に変わり、血液中の血糖値が上昇するスピードを測った値のことです。この上昇率がゆるやかであるほど、身体に負担をかけません。

日頃からいわゆる炭水化物を取る時に、GI値が低くかつミネラルも含まれている芋類やオートミール、玄米、そば粉などにするだけでもミネラルの消耗をかなりおさえることができるので栄養をとりつつエネルギーをつくることができます。

ただし、何か症状で悩むお子さんは、お菓子はもちろん、パンや白いお米を一時的に控えみるとよいかもしれません。

また、「炭水化物を控える場合は、それに変わるエネルギー源として脂質、とくに飽和脂肪酸であるバター・ラード・ココナツ油などをしっかりとりましょう」と、さかもとさんはおっしゃています。

もちろん子どもたちにとっては、甘味も人生における楽しみの1つです。アレもダメ、コレもダメでは、笑顔が無くなってしまいそうです。

ですからママが知識を得て、「昨日はお誕生会で甘いものをたくさん食べたから、今日は生野菜や海藻やレバーをたくさん食べよう」などと調整できると良いですよね。

またおやつは、白砂糖ではなく、身体に優しい蜂蜜やデーツ、ココナッツシュガーなどで甘みをつけたり、たまにはきゅうりに味噌をつけてぽりぽりかじるのも良いでしょう。



楽しい毎日は健康な体があってこそ。栄養素を意識してバランスよく摂り入れる事を、家族の健康を守る一つの手段としてみてはいかがでしょうか。


引用元:
アレルギーでもあきらめちゃダメ!子どもの体質改善のための「栄養療法」って?(It Mama)