がんの早期発見の割合は、12部位のがんで最大6倍の差があることが、国立がん研究センターのまとめでわかった。



 進行度を示す「病期(ステージ)」で比較的早期のがんを示す0〜1期の割合は、検診法が確立している子宮頸部が76%だったのに対し、膵臓が12%と低く、早期発見につながる研究開発の必要性が浮き彫りになった。

 国が指定する「がん診療連携拠点病院」など421施設が2014年にがんと診断した症例約67万件を分析した。従来公表している5大がん(大腸、胃、肺、乳、肝臓)に、323施設が診断した膵臓、前立腺など七つのがんを今回初めて加えた。

 がんの病期は0〜4期に分かれ、数字が大きいほど進行している。診断時にわかった膵臓の病期は、がんが周りの臓器に広がっている状態に当たる4期が43%を占め、逆に0〜1期は12%にとどまった。

 一方、胃、子宮頸部、膀胱などは、0〜1期の割合が6〜7割と高かった。乳房、前立腺、食道なども5割前後が0〜1期で見つかっていた。

 膵臓がんは進行しないと腹痛や体重減少など目立った症状がなく、決まった検診法もない。

 現在、早期発見を目指し、血液に含まれる特異なたんぱく質を目印にする検査キットなどの開発が進められている。


引用元:
がん早期発見の割合、部位で最大6倍の差...膵臓12%・子宮頸部は76%(Medical Tribune)