朝晩と涼しくなり、すっかり秋めいてきましたね。これからますます寒くなっていく日が多くなります。そんなこれからの季節に注意したいのが、“インフルエンザ”。インフルエンザは毎年12月頃から流行り始めます。
小さい子どもは抵抗力がなく、もしかかってしまった場合、重症化することもあるので、乳幼児の子育て中のママはいち早く対策を考えておいたほうがよさそうです。
というわけで今日は、厚生労働省とクローバーこどもクリニック眞々田容子先生のお話をもとに、インフルエンザの基礎知識と、予防策についてお伝えします。
黄本恵子
■インフルエンザの基礎知識「インフルエンザの型と症状」
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、大きくA型、B型、C型に分類されます。このうち大きな流行の原因となるのは、A型とB型です。A型のインフルエンザは、その原因となるインフルエンザウイルスの抗原性が毎年小さく変化しながら流行します。
これが“季節性インフルエンザ”と言われるゆえんでもあります。つまり、A型に関しては、去年かかったので今年はかからない、ということはなく、毎年かかる可能性があるということです。
インフルエンザになった際の症状は、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れます。
あわせて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴うなど、重症になることもあります……。
■もしインフルエンザに罹ってしまった場合…抗インフルエンザ薬の副作用は大丈夫?
もしインフルエンザにかかってしまって、タミフルなどの“抗インフルエンザ薬”を服用することになった場合、副作用が気になるママは多いと思います。過去にマスコミなどで「タミフルによる異常行動」が取り上げられていましたよね。
これに関して、厚生労働省のサイトには、「タミフルと異常な行動の因果関係について、疫学調査の解析結果のみから明確な結論を出すことは困難」、そして「タミフル服用の有無にかかわらず、異常行動はインフルエンザ自体に伴って発現する場合がある」と書かれています。
クローバーこどもクリニック眞々田容子先生も、「インフルエンザ感染自体に異常行動を起こす可能性があり、発症から2日間は保護者が付き添うこと」が大切とおっしゃられており、タミフル使用・不使用にかかわらず、子どもがインフルエンザに罹った場合は、目を離さないようにすることが大切です。
また、インフルエンザにかかったからといって、必ずしもタミフルを飲むというわけではありません。先生いわく、「タミフルは発熱期間を1日程度短縮するだけで、基礎疾患や重症化のリスク(2歳未満)が少なければ治療しない選択もある」とのこと。
なので、「タミフルを飲ませるのが嫌だから病院には行かない」ということはしないように、高熱が見られたら必ず医療機関へ行くようにしましょう!
■要注意!インフルエンザに使用してはいけない解熱剤って?
インフルエンザで注意しなければいけないのが、普通の風邪と思いこみ病院に行かず、自己判断で薬を飲んだり与えたりしてしまうこと。
眞々田先生いわく、インフルエンザには使用してはいけない薬剤があり、それが解熱剤の“アスピリン”です。インフルエンザ脳症・ライ症候群を起こす可能性あります。
熱が高いからといって、乳幼児に自己判断で大人用の解熱剤を間違っても飲ませることはないようにしましょう。38度以上の高熱がある場合は、すぐに医療機関に行くようにしましょう。
http://www.shutterstock.com/
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■乳幼児の予防接種は必要?
インフルエンザにはワクチンがあります。事前に打っておけば感染する確率を減らしたり、感染しても重症化しないと言われていますが、はたして乳幼児へのワクチン接種は必要なのでしょうか?
これに関して、厚生労働省のサイトには、乳幼児のインフルエンザワクチンの有効性に関して、報告によって多少幅があるものの、「おおむね20〜50%の発病防止効果があったと報告されています」と書かれています。
また、乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も散見されているそうです。
ただ、乳幼児のインフルエンザ予防もやはりワクチンの接種だけでは不十分で、眞々田先生いわく「“ワクチン打ったから100%安心”はありえない」とのこと。一般的な予防対策も必要だということです。
■最低限やっておきたい!インフルエンザの予防策
(1)人ごみに行かない
乳幼児を子育て中のママは、インフルエンザの季節はなるべく人込みに行かないようにしましょう。もし行かなければならない場合は、マスクを着用するなどして自己防衛を。
(2)外出後は手洗い・うがい
基本的なことですが、手洗い・うがいはウィルスを物理的に除去するのに有効とされています。
インフルエンザウイルスはアルコールによる消毒でも効果が高いですから、アルコール消毒もできれば取り入れましょう。
(3)湿度を高めに保つ
冬になるにつれ空気が乾燥してきます。空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザに罹りやすくなります。
特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保つようにしましょう。
(4)ゆっくり休養をとり、メンタルケアも大事にする
体が疲れていると、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。精神的に疲れていてストレスがたまっている場合も同様です。
パパ・ママともにゆっくり休養をとり、子どもにも栄養のあるものを与え、夜はゆっくり眠らせてあげましょう。
いかがでしたか。
筆者の息子も、2年連続でインフルエンザを発症しました(B型とA型)。
手洗い・うがいなど気をつけていたつもりでしたが、今思えば湿度対策など怠っていましたし、十分に対策ができていなかったかもしれません。
インフルエンザにかかると、高熱で本当に子どもは苦しそうです。冬前に対策を万全にしておきたいですね。
引用元:
今年の対策は大丈夫?乳幼児を持つママが知っておきたい「インフルエンザ」の基礎知識(It Mama)