子どもを授かりたいカップルにとって、睡眠が「妊娠」の手助けになるかもしれない。良質な睡眠は女性のみならず男性にとっても妊娠にプラスに働く可能性があるという。


不妊問題を抱える女性の睡眠時間は短い?

 米疾病対策センター(CDC)の報告によると、15〜44歳までのアメリカ人女性の12%は何らかの理由による不妊問題を抱えており(※1)、例えば、なかなか妊娠できない、妊娠しても妊娠を維持することができないなどの問題があるという。

 そして、これら不妊に悩む女性の多くの睡眠時間は平均6時間程度であり、これは、妊娠のために推奨されている睡眠時間よりも2時間ほど短いという(※2)。このデータからも推測されるように、睡眠時間は妊娠にとっても重要である可能性があるのだ。


睡眠不足は妊娠に必要なホルモンを減らす

 睡眠中には多くのホルモンが分泌されるが、女性の妊娠にとって重要なホルモンもたくさん分泌される。

 レプチン、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンなどの名前は聞いたことがある方も多いだろう。これらのホルモンは女性の月経周期に沿って、分泌が増えたり減ったり調節され、女性の体を排卵や妊娠に適した状態に作り上げていくのである。

 したがって、睡眠不足などでは、これら妊娠に重要なホルモンの分泌が減少したり、乱されたりしてしまう可能性があるのだ。

 さらに、睡眠不足は男性のホルモン分泌にも影響を与える。睡眠障害を持つ男性では、睡眠中の男性ホルモン(テストステロン)の分泌が減少するという報告や、精子の量が29%も減少するという報告もあり(※3)、睡眠は女性だけでなく、男性にとっても妊娠に重要なファクターとなり得るのである。


よく眠る人ほど性欲が強い?

 ホルモン的に考えても、睡眠不足は妊娠に影響を与えそうだが、他にも原因がありそうだ。よく眠れなかった翌日は頭がすっきりしなかったり、何事もやる気が出なかったりするように、睡眠不足は性欲の減退を招く可能性もあるのだ。

 米ミシガン大学らの研究グループが171人の女性を対象に、日々の睡眠時間の長さと翌日の性欲の強さを調査した。その結果、睡眠時間が長くなるほど性欲が高まることが明らかになったのである。平均すると、睡眠時間が1時間長くなるごとに性欲が14%増したという(※4)。このように、睡眠不足が異性に対するモチベーションも低下させることは科学的にも示されており、妊娠を望むカップルにとって、睡眠不足は大敵なのだ。

 睡眠不足は、私たち生体の機能のあらゆる側面に影響を与える。そして、ホルモン分泌の乱れやモチベーションの低下は、繁殖力にも影響を与えるようだ。子どもを授かるためには、まずはしっかりと眠って休養し、心身ともに健康な状態を作り上げることが大切だということが、私たちの体には刷り込まれているのだろう。


引用元:
不妊問題を抱える女性の睡眠時間は短い 睡眠がもたらす妊娠ホルモン分泌(CIRCL)